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吉田雅史はアンダーグラウンドなヒップホップシーンから『批評再生塾』まで渡り歩く

2024.5.31

#MUSIC

トークスペース「ゲンロンカフェ」で行われた『批評再生塾』で優勝、批評家の道へ

タカノ:その後に批評家になるんですよね。

吉田:2015年に、東浩紀さんが立ち上げた「ゲンロンカフェ」というトークスペースで、批評家の佐々木敦さんと一緒に『批評再生塾』というものを始めたんですよ。生徒たちを募ってコンペティション形式で批評文を読み書きし、批評家を育てて批評を再生しようというようなプロジェクトがあったんですが、その現場にたまたま居合わせたんですね。

タカノ:たまたま居合わせた。

吉田:ゲンロンカフェのイベントにちょくちょく行ったりしている時期だったんですが、「今から批評再生塾を始めます」というところにたまたま居合わせたんですよ。批評文どころかまともな論文も書いたことがなかったんですけど、直感的に「行くしかないな」と思って応募したんです。参加してみたら本気のバトルだったんで、その熱に浮かされて、気がついたら1年戦った末に優勝に漕ぎつけたんです。

タカノ:凄いですね! MCバトルではないですよね?

吉田:MCバトルではないですね。(笑)

タカノ:ラップと通じるものがありそうで面白いですね。

吉田:戦いの仕組みは近かったですね。

Celeina:批評のテーマはどういったものだったんですか?

吉田:2週間に1回、文学、思想、映画や音楽といった色んな分野の講師の方を招くんですけど、それまでにお題が公表されていて、そのお題にそった批評文を事前に書いておくんですよ。その中から3本が選ばれて、その場で自分の論文がいかにすごいかというプレゼンをして、バトルするんです。だから文章力だけじゃなくてプレゼン力とかも試されましたね。

Celeina:結構スパルタですね。でもステージに立った経験がその時に役立ったんじゃないですか?

吉田:それはあるかもしれないですね。

タカノ:ラップも自分の言葉を紡いで吐き出す音楽だから、その辺は繋がる気がしますよね。

Celeina:『批評再生塾』を経て、そこから本格的に批評家として活動をスタートされたということですが、どういった分野に携われているんですか?

吉田:『批評再生塾』の時はヒップホップのことを書こうとは思っていなかったんですけど、最終論考だけはヒップホップで論述して賞を頂くことになって。この経験を通して、やはりヒップホップって言語化が難しいジャンルだというのを実感したので、今はヒップホップ批評をどう展開できるかをテーマにして活動をしています。

タカノ:ここで1曲挟みたいと思うんですけれども、吉田さんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいました。どんな曲でしょうか?

吉田:大変恐縮なんですが、自分の曲なんです(笑)。最近、口頭遊民ダコタというヒップホップコレクティヴで活動をしていまして。そのアルバムからリードトラックの”自威”という曲を聴いていただければと思います。

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