INDEX
「無意味付け」をしていく数々の作品
Celeina:ハッピーですね。他にも作品を拝見しているんですが、『ハト命名』はどういった作品ですか?
田中:2000年の作品で、ハトに名前を付けていくという作品です。ハトは丸いものに目が行くので、カメラを向けるとピタッと目が合う瞬間があるんですよ。そこで映像を止めて、「岡本常夫」かなと思ったら「岡本常夫」と命名するみたいに、名前を付けていくだけの動画です。

Celeina:これは「無意味活動」の一環という形でしょうか?
田中:そうですね。昔から「無意味」を旗印にしているわけではないんですが、色々と活動していく内に、芸術が一番ベースにしているのは無意味だなということに気づいてきて。結局、世の中のほとんどのものは、実は意味ないなと思うようになってきました。
今この場では、ここにある空気も水もコップもテーブルも意味がありますが、収録が終わって夜中にはほとんど意味がないですよね。そう考えると世の中の大半のものは意味がない時間が多いと思って、その時間を活用出来たらすごく広いせかいが広がっているはずですよね。
タカノ:面白い! 我々人間が意味づけを勝手にしているわけで、反対に田中さんは「無意味づけ」をされているということですよね。
Celeina:私すごく納得しちゃった。
田中:本当ですか? してなさそうな顔していましたよ(笑)。意味がないなと思うものの方が、幅が広くて量も多くて。一度足を踏み入れると、意味がないものの嵐に巻き込まれちゃうのが面白いです。
もちろん実利的で意味のある仕事もしているのでどっちが良いとは思わないですけど、無意味なことに注目することで、せかいが確かに広がっていくなぁと感じていますね。
タカノ:無意味の話も出ましたが、田中さんの作品で『ラジオ体操 アドリブ』も気になっています。
田中:これは本当に全く意味が無くて。ラジオ体操をやっているところに、全く体操を知らない人として参加するんです。「体を大きく回して」や「腕を上げてジャンプ」といった掛け声だけを頼りに、その場で聞いたままに踊るという。体操はしているけれど周りの人とはちょっと違う動きをすることになります。
