INDEX
できなさをバネに努力していたらお菓子作りが面白くなってきた
Celeina:基本的にレシピは分量が決まっていて、量りながら作られるんですか?
菅又:もちろん決まったレシピで普段は作るんですが、最初に作るときは「わあ、牛乳の味がしてきたな」と思ったらそこで分量が決まります。
Celeina:そこでメモするんですね。(笑) そんなに乳製品が苦手というバックボーンがありながら、パティシエになろうと決めた瞬間はどこにあったんですか?
菅又:なんとなく……。
Celeina:ご実家の家業だったということでは?
菅又:就職活動とか進学のことを考えなければいけない高校3年の9月ぐらいかな。ギリギリでこの先どうしようと思っていたとき、父に「お前は何がしたいのか」と聞かれて「ケーキ屋かな」みたいな感じでした。父がお菓子を作っていたのが、なんとなくかっこよく見えたんじゃないですかね。
Celeina:なるほど。
菅又:だから、なんとなくこの世界に入っちゃったんです。
タカノ:でもパティシエというお仕事に、やりがいや魅力は感じているわけですよね。
菅又:今は。
タカノ:「今は」ということは、ぐっと入り込んだ瞬間があったんですか?
菅又:当時は面白くなかったから、専門学校にもあまり行けていなかったんです。だけどそれでは就職もできないので、先生が「夏休みにも1ヶ月間お菓子を作りに、学校に来い」と。そうしたら、クラスのみんなが当たり前にやっていることが、自分は全然できなかったんです。レシピを見ても卵は泡立たないし、スポンジはパサパサだし。できないことが悔しくて、ずっとやっていたらどんどん面白くなってきたんですよね。
タカノ:なにがあるかわからないものですね。
菅又:人生って不思議だなと。
タカノ:まだまだお話を聞いていきたいのですが、1曲挟みたいと思います。菅又さんに選曲をお願いしたんですが、選曲理由から聞かせてください。
菅又:お店をオープンした当初、色んなことを悩みながらよくドライブをしていて。そのときによく聞いていたのがサカナクションで、その中でも妙に刺さって「俺、頑張ろう」みたいになれたのでこの曲にしました。
タカノ:では、曲紹介をお願いします。
菅又:サカナクションで“ユリイカ” です。