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立川談志を7年撮影した演芸写真家の橘蓮二は、落語に救われたから写真を撮る

2024.2.28

#STAGE

立川談志師匠の晩年の7年間を撮影

Celeina:これまでに数々の芸人さんを撮影されてきたと思いますが、特に印象に残っている撮影は何ですか?

橘:立川談志師匠との晩年7年間の撮影です。最初の2年間は撮影に行ってご挨拶しても、ほとんど一瞥だけでした。それでも毎回写真を撮って渡していたら、師匠から「橘」と初めて名前で呼ばれて。「好きにしていいよ、いつ来ても撮らせてやるから」と言っていただいて、その後はどこの会に行っても撮影させてもらえるようになりましたね。

タカノ:談志師匠らしさがあるというか、粋な感じが素敵ですね。

橘:黙ってはいましたが、写真は確かに見てくれていたと思うと嬉しかったです。

タカノ:先日橘さんのインタビューを拝読しまして、撮影の際には芸人さんのストレスにならないように気をつけているという話を聞いたんですが。

橘:高座自体はお客様のためにあるわけで、写真を撮るためにやっている訳ではないので。あくまでも主役は芸人さんであり、集中力を削ぐようなことはあってはならないと思っています。難しい言い方にはなりますが「撮らないようにして撮る」。積極的に撮りに行くのではなく、状況や芸人さんの雰囲気を見て撮影しています。時には撮らない日もあるんです。

タカノ:撮影に行って、撮らない日もあるというのはすごいですね。撮影時はなるべく黒い服を着るようにするということですが。

橘:僕は客席と演者さんの中間にいることが多いので、どうしても視界に入ってしまいます。気配を消すというと大げさですけれど、芸人さんが気にならない状況を作るということは意識しています。

Celeina:まさに芸人さんに対する愛ですよね。

橘:先ほども話しましたが、私は悩んでいる時に演芸に出会わなければ、写真の世界から離れていた人間なので。演芸に救ってもらった写真家だと思いますし、感謝や愛の気持ちは絶対に持ってやっています。

タカノ:素敵な姿勢ですね。まだまだお話を聞いていきたいんですけれども、ここで1曲挟みましょう。橘さんに、この時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいました。選曲理由をお伺いしてもいいですか?

橘:僕自身がプロデュースする会があるんですが、会の構成として演者さんのトークで終わる時には、楽しい雰囲気で終わるためにこの曲をよく使っているので選曲しました。LOVE PSYCHEDELICOで“Freedom”。

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