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スランプは「自分なら描ける」と思い込むことで切り抜ける
Celeina:幼少期から絵をお仕事にしたいという気持ちがあったんですか?
すしお:いや、なかったですね。
Celeina:ただ好きで描いてる。
すしお:最終的に自分には絵しかないってなって、崖っぷちの状態でアニメ業界に入った感じです。
タカノ:でもそれでね、こんなに大活躍されて。
すしお:いや大変でしたよ。
Celeina:アニメーターさんの専門学校に行かれたんですよね。何かきっかけがあったんですか?
すしお:大学試験に落ちて家でゴロゴロしていたら、姉が専門学校のパンフレットを取り寄せてくれて、それをパラパラ見てたんです。そうしたら、これからジャパニメーションだと言って『AKIRA』の絵が載ってたんですよ。それがアニメーター科っていうところで、その流れでアニメーターの道に行くことになりましたね。
Celeina:なるほど、お姉さまが鍵だったんですね。
すしお:そうですね。ありがたいことです。
タカノ:アニメーターさんのお仕事について聞きたいんですけれども、絵を描くことと動かすことって何か違う作業な気がするんですよ。そこらへんをすしおさんは全部されているっていうことですよね。
すしお:でも意外とよく分からないまま業界に入っちゃって、自分はイラストが好きだったんですが、動かさなきゃいけないって分かって結構テンパりました。
タカノ:動かすときはどういう点に注意したりこだわったりしているんですか?
すしお:自分の描きたい動きを描くんじゃなくて、ちゃんとそのキャラクターがどういう感情で動いているかという部分ですね。ちゃんとそのキャラが「無意識に動いてる」感じを意識する感じです。
Celeina:キャラクターがすしおさんに憑依しているというか、降りてきて絵を動かしてるって感じですか?
すしお:そうですね。だから芝居をさせているので、俳優さんと一緒というか。
タカノ:面白い。
Celeina:そういう風に見たことなかったです。
タカノ:アニメの見方が変わりますね。キャラクターごとに、このキャラはどういう動きをしているのかというところに注目するのも、楽しみ方の一つかもしれないですね。
Celeina:すしおさん、先ほど今大活躍されているというお話から、色んなことありましたよってちらっとお話しされてましたけど、スランプに陥ったり、落ち込んだりしたときの切り抜け方って何かありますか?
すしお:「俺なら描ける」って思い込みで切り抜ける感じですね。
Celeina:なるほど。自分を信じる。
すしお:そうですね。思い込みって結構重要で、自分ならできると思い込むと、脳がそういう風に作用するんですよ。そうすると脳が柔らかくなって、どんどんアイデアを出してくれるというか。自分でこんなの描けないって思っちゃうと、脳が萎縮して、アイデアを出してくれなくなっちゃうんですよ。なので、根拠のない自信を持つっていうのは大事です。
タカノ:これ、超大事ですよ。
Celeina:パワーワードいただきましたね。