グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月26日はイラストレーターの田中かえさんの紹介で、アニメーターのすしおさんが登場。アニメーターになるまでの経緯や、影響を受けた作品、スランプに陥ったときの切り抜け方のほか、推し活についてもお聞きしました。
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小学5年生で『AKIRA』に出会ったのが始まり
Celeina(MC):本日お迎えしたのは、アニメーターのすしおさんです。よろしくお願いします。
すしお:「優しいおじさん」のすしおです、よろしくお願いします。
Celeina:昨日の放送を聴いてくださっていたんですね、ありがとうございます。まずプロフィールをご紹介させていただきます。すしおさんはアニメーションスタジオ「トリガー」に所属されているアニメーター。『キルラキル』『天元突破グレンラガン』『プロメア』などに参加してこられました。アニメ以外にも、星野源やBUMP OF CHICKENなどアーティストのイラストも担当されています。
タカノ(MC):大活躍されているアニメーターさんということなんですけれども、紹介してくれた田中かえさんとはもう結構長い付き合いなんですか。
すしお:もう5〜6年になりますかね。WACKのアイドルが好きなんですけど、リリイベというお店の前とかでやるイベントがあって、そのミニライブのお客さんとして2人とも来ていて、そこで知り合いました。
タカノ:そこで知り合うのはすごいですね。まずすしおさんには、そもそも絵を描くことに興味を持ったきっかけから教えていただきたいんですけども。
すしお:興味を持ったきっかけはあまり覚えてないんですけど、子供の頃から絵だけはずっと描いてますね。
タカノ:自然と、という感じなんですかね。アニメとか漫画は子供の頃から見てたんですか?
すしお:アニメは見ていたんですけど、漫画はそんなにかじってなかったですね。
タカノ:影響を受けた作品が、大友克洋先生の『AKIRA』と聞いています。
すしお:小5ぐらいで出会ったんですけど、それまでは『少年ジャンプ』の絵とかしか知らなかったので、『AKIRA』で急に大人のセンスの絵を見せられて「うわっ!」みたいな感じになりました。
タカノ:僕も父親が『AKIRA』大好きで、小学生の頃に見せられてめちゃめちゃ怖いと思ったんですよ。そういう感覚はなかったんですか?
すしお:なかったですね。鉄雄っていうキャラが膨張していくシーンがすごく自分的にしびれちゃって。
タカノ:ちょっと待ってください、僕はあのシーン怖くてテレビ消したんですよ。
すしお:ああやってメタモルフォーゼする表現を見たのが初めてだったので、すごくかっこいいなと感じて。そこからはもう頭の中がずっと『AKIRA』になっちゃって、30歳ぐらいまでずっと頭の中が『AKIRA』だった。
タカノ:でもすしおさんの作品には、大友先生のDNAをやはり感じますね。
すしお:そうですね、何かを描くときは常に大友さんから影響を受けた脳みその引き出しを開けまくっているので。
タカノ:すしおさんのアニメーションは戦闘シーンとか爆発シーンがすごくかっこいいんですよ。デフォルメ化されつつもちゃんと迫力があってバランスがあるというか、わくわくする演出が多くて、しびれるんですよね。
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スランプは「自分なら描ける」と思い込むことで切り抜ける
Celeina:幼少期から絵をお仕事にしたいという気持ちがあったんですか?
すしお:いや、なかったですね。
Celeina:ただ好きで描いてる。
すしお:最終的に自分には絵しかないってなって、崖っぷちの状態でアニメ業界に入った感じです。
タカノ:でもそれでね、こんなに大活躍されて。
すしお:いや大変でしたよ。
Celeina:アニメーターさんの専門学校に行かれたんですよね。何かきっかけがあったんですか?
すしお:大学試験に落ちて家でゴロゴロしていたら、姉が専門学校のパンフレットを取り寄せてくれて、それをパラパラ見てたんです。そうしたら、これからジャパニメーションだと言って『AKIRA』の絵が載ってたんですよ。それがアニメーター科っていうところで、その流れでアニメーターの道に行くことになりましたね。
Celeina:なるほど、お姉さまが鍵だったんですね。
すしお:そうですね。ありがたいことです。
タカノ:アニメーターさんのお仕事について聞きたいんですけれども、絵を描くことと動かすことって何か違う作業な気がするんですよ。そこらへんをすしおさんは全部されているっていうことですよね。
すしお:でも意外とよく分からないまま業界に入っちゃって、自分はイラストが好きだったんですが、動かさなきゃいけないって分かって結構テンパりました。
タカノ:動かすときはどういう点に注意したりこだわったりしているんですか?
すしお:自分の描きたい動きを描くんじゃなくて、ちゃんとそのキャラクターがどういう感情で動いているかという部分ですね。ちゃんとそのキャラが「無意識に動いてる」感じを意識する感じです。
Celeina:キャラクターがすしおさんに憑依しているというか、降りてきて絵を動かしてるって感じですか?
すしお:そうですね。だから芝居をさせているので、俳優さんと一緒というか。
タカノ:面白い。
Celeina:そういう風に見たことなかったです。
タカノ:アニメの見方が変わりますね。キャラクターごとに、このキャラはどういう動きをしているのかというところに注目するのも、楽しみ方の一つかもしれないですね。
Celeina:すしおさん、先ほど今大活躍されているというお話から、色んなことありましたよってちらっとお話しされてましたけど、スランプに陥ったり、落ち込んだりしたときの切り抜け方って何かありますか?
すしお:「俺なら描ける」って思い込みで切り抜ける感じですね。
Celeina:なるほど。自分を信じる。
すしお:そうですね。思い込みって結構重要で、自分ならできると思い込むと、脳がそういう風に作用するんですよ。そうすると脳が柔らかくなって、どんどんアイデアを出してくれるというか。自分でこんなの描けないって思っちゃうと、脳が萎縮して、アイデアを出してくれなくなっちゃうんですよ。なので、根拠のない自信を持つっていうのは大事です。
タカノ:これ、超大事ですよ。
Celeina:パワーワードいただきましたね。