グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月13日は、「INQUIRING」や「RAZOR」のデザイナーとして活動中の岡沢高宏さんが登場。2020年に立ち上げたアート・NFTシェアマーケットプレイス「STRAYM」についてのお話を中心に伺いました。
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アートに気軽に関与してもらう場を作る
Celeina(MC):今日登場してくれるのはフォトグラファーのRKさんが推薦してくださった、デザイナーの岡沢高宏さんです、よろしくお願いします。
タカノ(MC): RKさんが「僕にとって一番かっこいい東京の先輩」と言ってました。
岡沢:光栄です。
Celeina:岡沢さんは1990年代にモデルとしてデビューされて、2001年からはデザイナーとしてもデビューされています。現在は「INQUIRING」や「RAZOR」のデザイナーとしても活動中。気になるのが、2020年に立ち上げられたアート・NFTシェアマーケットプレイス「STRAYM」ですが、どういったものか簡単に教えていただけますか?
岡沢:これは友人3人と2019年から1年ぐらいかけて話をして、アートの魅力とか文化とかをもっと広げていきたいというのがあって、立ち上げました。「STRAYM」って言葉もスペルを逆さまにすると「MYARTS」になるんです。
Celeina:本当だ!
岡沢:デジタルを介して僕らが共同保有とか販売していくのですが、デジタルの向こう側にアクセスするサービスなので、そういうギミックのある名前にしようと思って、始めました。
タカノ:実際にどのようなジャンルのアートを扱っているんですか?
岡沢:有名な作家だとバンクシーとかKAWSとか、写真家のヴォルフガング・ティルマンスとか。あとは国内の作家にも出してもらったりしています。基本的に、セカンダリーも扱いますし、時にはプライマリーだったりとか、アーティストにお願いして作ってもらうコミッションの作品も出品してます。
Celeina:Webサイトを拝見させていただいたんですけど、169円とか低い値段設定の商品があって、これは共同オーナーになれるということになるんですか?
岡沢:そうですね。共同の所有権というか、共同保有をするという概念で始めました。なるべく最初の入口を低くして、100円から権利が買えるという形にしました。先ほどの169円は、100円からスタートしたのが、いろんな売買の中で単価が上がったという表記です。
Celeina:69円分上がったということなんですね。ちょっと株みたいな感覚。
岡沢:高いアートには手が出ない人たちに、もう少しアートに関与してもらいたいんです。アートにお金を払うということで、その人本人がアートに少し近づいて、自分が持っているという意識の中で、また他の人にその作家や作品を自分なりに話すことに広がるんじゃないかと思っていて。なのでなるべく低い単位で関与してもらって、楽しんでもらおうと思ってサービスを始めました。
タカノ:気軽に「所有しているんだ」という話で人と盛り上がれるからいいですよね。それにしても100円からってすごいね。
Celeina:岡沢さんはNFTとかWeb3の可能性はどう見られてますか?
岡沢:僕はこのサービスの中でそこまで詳しい担当ではないんです。ただNFTに関しては、デジタルの証明としての高い技術という認識をしていて、「STRAYM」でもアートに対する証明書はNFTで基本発行していたり、NFTのデジタル作品も販売したりしています。僕の中では高い技術でちゃんと残る記録というか、便利な技術なのかなと思っています。
タカノ:そうですね。皆さんもまずは「STRAYM」Webサイトにアクセスしていただいて見ていただきたいです。
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写真が持つ今の価値と未来の価値
Celeina:9月10日には新宿で1日限りのフォトエキシビション『TOKYO PHOTOGRAPHER’S EXHIBITION 2023』のキュレーターを務められたということですが、どんな方が参加されていたんですか?
岡沢:これは「STRAYM」のイベント企画の一環で僕がキュレーションを担当させてもらって、高橋恭司さん、藤代冥砂さん、新田桂一さん、高木康行さん、P.M.KENさん、佐内正史さんという6名を選ばせていただきました。僕の中では日本を代表する写真家の方たちだと思っていて、今回オファーしました。
タカノ:どんな内容だったんですか?
岡沢:もともと、僕がモデルとして1990年代から2000年代で被写体として皆さんたちと仕事をする機会があったんですが、結構欧米のファッションとかクリエイティブな方たちに影響を与えていた人たちだと思っているんです。なので、その人たちの写真を一人ひとりセレクトして展示しました。
歌舞伎町タワーの5階の「EXSTION」っていうウェルネスをテーマとした会員制のフロアがあるんですけど、そこで1日のみの写真展、販売と展示をするイベントとパーティーをやったんです。
Celeina:販売もあったってお話ですけれども、写真を購入すると、そのフォトグラファーに自身のポートレート撮影してもらえる権利、あとNFTがもらえるというのがすごいなと思いました。
岡沢:「STRAYM」としての企画の中で、写真を買っていただくこともすごく大切なことなんですけど、今回はテーマとして、写真の価値って何だろうというのを考えていたんです。写真というフィジカルなアートを買うことは今の価値で、写真を写真家の方に撮ってもらうことは、未来の価値なのかなと。
その両方が混在するものを今回僕らも提供したくて、一人ひとりの写真家の方にも賛同していただきました。なので、購入した後は写真家の方がポートレートを撮って、そのポートレートを購入者がNFT化していいという企画なんです。
Celeina:未来の価値ってすごくプラスアルファで大事な概念ですね。このNFTも「STRAYM」も、未来に値段が上がるかもしれないという、未来の価値の部分もありますもんね。
岡沢:そういう価値を少しずつ楽しむというか。昨今のオークションとかだと、とてつもなく値段が上がって、そのニュースを翌日聞くというだけで終わってしまうけれど、もっと近いところに関与して、わくわくするような体験をしてもらえたらなと思っています。
Celeina:いいですね。お話を伺っていきたいんですけれど、1曲まずはお送りします。ここで岡沢さんに曲を選んでいただきました。どんな曲でしょうか?
岡沢:Dennis.というアーティストの“Dream State”という曲です。僕、音楽はSoundCloudとかでいろいろ自分が好きなやつのミックスを聴いていて、その中で気に入ったやつを大体YouTubeで探すんです。そういう感じで見つけた曲なので、そんなに詳しくないんですけど、雲のもくもく感がある気持ちのいい空のジャケットと、曲の気持ちよさが好きで選ばせてもらいました。
Celeina:それではみんなで聴いてみましょう。