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「『これがアルバムで、これが音楽だ』という感動を表現したかった」(河合)
―1stフルアルバム『Underlight & Aftertime』は、再録曲となる“111511”や“mizu ni naru”、重たいサウンド感の“煉獄ex”や“underdrive”などを収録し、結成から今までの歩み、これからの道を提示するような1枚だと感じました。初のフルアルバムを完成させて、どのような作品になったと感じていますか?
河合:3年間の集大成ではないと感じています。
富樫:色々新しいことを始めたいという気持ちはありましたね。
河合:EMOやインディーロックといったカテゴライズから脱却したいと思っていて。どれだけ音楽に近づけたのかは、意識していました。
―「音楽に近づく」とはどういうことでしょう。
河合:すごく難しいんですが、本物のEMOやハードコアがどうとかではなく、「これがアルバムで、これが音楽だ」という感動を表現したかったんです。シーンに影響を与えようとか、しょぼい事考えようとすると軸がブレてしまうし、まず音楽を自分たちの中に広げていく必要があって。3人で楽しいか、楽しくないのかの話をずっとしていくのも良いのかなと。

―作りたいものを作っていく姿勢は一貫していますよね。前作までと変わったと感じた点はありますか?
富樫:1曲に対して向き合う時間がすごく増えたんです。今まではギターと歌のバランスについて指摘されても分からなかった。今回は指摘された理由を考える時間を作ったことで、楽器や歌単体ではなく全体像を見れるようになったと思いますね。
ロバート:今の話と繋がるかもしれないんですが、今回の制作でドラムは無意識に鳴りやすい楽器だと感じたんです。スティックが当たるだけで音が鳴る中で、なぜその音を出すのかを考えなきゃいけないと思って。無意識に演奏すると多くのことを切り捨てる気がするので、シンプルだからこそ周囲を意識するのは心掛けました。
河合:例えば、“Whale”は元々もっとキャッチ―なメロディーだったかな。ただメロディー自体はすごく良いのに、曲としては面白く感じなくて、弾き語りの方が良いというか。。そこで歌を削るという決断をしたことで曲が完成したのが、バンドとしての成長じゃないかな。