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ヒスパニック系ヒーローに背負わされた悲劇的な運命
原作でのヘクター・アヤラは、コミック初のヒスパニック系ヒーローとして誕生したホワイトタイガーというキャラクターである。彼は、実際にはギャングの揉め事に巻き込まれて殺害された少年に対する、殺人の濡れ衣を着せられている。そこには、彼がプエルトリコ人であるがゆえの差別が見え隠れする。
数十年の時を経て『デアデビル』の誌面に登場した際も、強盗犯を捕らえるべく入ったリサイクルショップで、その強盗犯が射殺した警官殺しの罪を着せられ逮捕されてしまう。裁判の結果、有罪となった彼は取り乱し、法廷から逃げ出たところを警官によって撃たれ、命を落とすという悲劇的な最期を遂げている。

このドラマでは、原作の展開をなぞりながらも、裁判の結果は無罪となり、自由の身となった。筆者も見ながらガッツポーズを取るほどに喜んだのだが、一転、最期は髑髏マークのコスチュームを着た何者かによって射殺されてしまい、結果的に原作の運命から逃れることはできなかった。