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なぜceroが今、ライブアルバムを? 映像がないことで「制約」からの解放が
─「ライブアルバムを作ろう」というアイデアはどこから出てきたんですか?
高城:去年のLIQUIDROOMツーデイズ(2023年12月2日、3日)をやるときは、もうレコーディング前提だったよね。ツーデイズだから、2テイク録れるっていうのもあったし。
荒内:きっかけとしては、『e o』のリリースツアーのファイナルのライブから“Tableaux”の映像をYouTubeにあげることになったことで。
高城:そうだね。
荒内:あの曲はライブのスネアの音作りが難しくて。
高城:みっちゃん(光永渉)がクッキーの缶で叩いたりしてた。
荒内:それもあってライブのミックスでいろいろ考えていたんですけど、みっちゃんが、「いつもドラムの横に置いてるiPhoneで録った音を貼り付けたら面白いんじゃないか」って提案してくれたんです。YouTubeのミックスは(エンジニアの)柳田亮二さんにやってもらったものですが、そのミックスにiPhoneの音を貼ってみたバージョンを勝手に作ってみました。結局それは締め切りには間に合わなくて、実際には使われなかったんだけど、みんなに送ったら面白がってくれて。
荒内:それを踏まえて、高城くんが年末のツーデイズでは、ライブ録音を前提にしてそういうアプローチをいろいろやったら面白いんじゃないかって。自分たちだったらいろいろアイデアが出てくるだろうし、(ライブレコーディングを)やってみようという話になった。
高城:ceroは映像作品はいくつも出しているけど、ライブ映像って音をいじりすぎると映像との乖離が生まれて画も触らなきゃいけなくなる。そういう制約から解放されて、音だけのライブ作品でいろいろやりたいなってことは前から思ってて。
橋本:DVDでも少しは音の直しをしていたんですけど、欲を言えばもっとこだわりたかったんですよね。だから今回、いい機会だなと思いました。
高城:当初はお客さんにも参加してもらう構想があったんですよ。
─ライブレコーディングの演出に観客も参加するような演出?
高城:そうそう。「ここで叫んでください」とか「変な拍手してください」とか。お客さん全員後ろを向いてもらって、ステージを誰も見てない写真を撮ってジャケットにしよう、とか(笑)。結局ライブの準備が忙しくて、当日は普通にやったけど。
