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2025年アカデミー賞まとめ インディー映画の躍進、社会派作品への注目

2025.3.21

#MOVIE

2025年3月2日(現地時間)に開催された、第97回アカデミー賞授賞式。ノミネートには話題作が多く、票が割れることが予想されていたが、蓋を開けてみれば『ANORA アノーラ』が5部門で受賞で幕を閉じた。本稿では当日の様子や受賞作を振り返りながら、今年のアカデミー賞を総括する。

ショーン・ベイカー監督、『ANORA』で快挙

第97回アカデミー賞は、ハリウッドが危機に見舞われるなか開催された。2023年の組合ストライキの影響が依然として残り、制作の海外流出が続くなか、年明けにはカリフォルニアが山火事に襲われてしまった。そんな状況下で行われた授賞式は、カリフォルニアに愛を贈る『ウィキッド ふたりの魔女』(2025年3月7日公開)のメドレーで幕を開けた。

危機の年度に圧勝したのは、アメリカ映画界が誇るインディー監督、ショーン・ベイカーによる『ANORA アノーラ』(公開中)だった。同作の脚本や編集も手がけたベイカーは、個人で作品・監督・脚本・編集賞の4冠を達成。これは1954年のウォルト・ディズニー以来の偉業だが、一作品のみでの達成は史上初となる。

『ANORA アノーラ』は、ロシアの御曹司と突如結婚することになったセックスワーカーが混乱に巻き込まれていくコメディ。これまで意図的に政治性を廃してきたベイカーが「はじめて政治に切り込んだ」と評された、経済格差にまつわる物語でもある。

前哨戦の受賞演説でインディ映画文化の向上をポジティブに訴えつづけていたベイカーは、監督賞の受賞スピーチでも、映画関係者やファンに向けて熱いメッセージを贈った。

「配給会社のみなさん、どうか劇場公開に尽力してください。親御さんたちは、子どもたちを映画館につれていってください。次世代の映画ファンや制作者を育てることになります。そしてみなさん、できるだけ劇場で映画を見て、素晴らしき劇場鑑賞の伝統を永らえましょう」(スピーチより意訳)

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