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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

目を閉じて観る映像、鶏とのマルバツゲーム。旧カプセルホテルの『Tokyo Jazz Club』

2026.11.8

#ART

カプセルの中に作品がある。ロッカーを見ても作品がある。シャワールームやトイレにまで展示が続いている。東京・神田錦町の旧カプセルホテルで開催中の『Tokyo Jazz Club』は、建物の隅まで気になるイベントだ。細長い通路の先にも、屋外にも作品が置かれている。ホテルの名残を眺めるつもりが、うっかり展示を見逃しそうになる。

11月1日から8日(日)まで、旧ナインアワーズ大手町の全8フロアを使って初めて開催されている同イベント。現代アートや音楽、パフォーマンスを楽しめるほか、最上階にはバーもある。ジャズクラブという名前だが、音楽が流れる階のすぐ上には、静かに作品を観る階がある。さらに上がると、今度はマルバツゲームが目に飛び込んでくる。いったいどんな場所なのか。写真と動画を撮りながら会場を巡った。

ジャズクラブだけど、まずはホテルを探検

会場には、ここが宿泊施設だったことを思い出させるものが、あちこちに残っている。白いカプセルにロッカー、洗面台。足元の数字は、かつてカプセルの位置を示していたのだろうか。表示を見ていると、この場所で荷物をしまったり、寝床を探したりしていた人の姿が浮かんでくる。

その設備を避けるどころか、使いながら作品が展示されているのが面白い。ロッカーの中にも、シャワールームにも、という具合なので、正面の壁を見ているだけでは足りない。細い通路まで展示に使われ、建物全体に作品が入り込んでいる。展示室とそれ以外の場所を、頭の中で分けて歩くことが難しい。

コンパクトな区画が続くため、一度に全体を見渡すこともできない。その先に何があるのかは、近づいてからのお楽しみ。すっきりと整った美術館の展示室とは、作品の探し方からして違う。かつてのホテルの設備と、そこに加わったものを見比べるだけでも、なかなか先に進めない。

そもそも、なぜジャズなのだろう。ファウンダーのロビー・オクダ・フィッツパトリックとヤエル・サロモノウィッツは、質問にこう答えている。

このプロジェクトにおいて「Jazz」は、音楽のジャンルというよりも、ひとつの思考のあり方を意味しています。

ロビー・オクダ・フィッツパトリック、ヤエル・サロモノウィッツ / NiEW編集部の質問への回答より

ジャズ喫茶やリスニングバーなど、日本の音楽文化とのつながりに加え、即興や協働、互いの音を聴く姿勢を大切にしているという。スイスのBasel Social Clubの実験精神を受け継ぎつつ、東京の文化に根ざした場所をつくる。決まった設計図に人を当てはめるのではなく、参加者がそれぞれの声を持ち寄る、という考え方だ。そう聞くと、フロアごとに違う表情があることにも納得がいく。

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