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ツッコミながら孤独な恋愛模様を楽しむ『冬のなんかさ、春のなんかね』
—続いて、もう1本の今期の話題作『冬のなんかさ、春のなんかね』について、お願いします。
藤原:人と人の色々な関係性を通して、一人の人間の姿が徐々に分かっていくというつくりが面白いと思っています。最初は、文菜(杉咲花)が魔性の女かな? と思うようなキャラクターでしたが、回を重ねるごとに少しずつ内面が分かってきて。でも、すべて分かるようになることは、この先ないんじゃないかな。よく分からないものを見つめる、想像する面白さを堪能しています。あと、文菜の様々な物事に対して考え過ぎてしまう部分は、共感できるのかもしれません。
北村:私は今期ベストに選んでいますが、言語化しにくい魅力がありますよね。私の感覚としては、恋愛リアリティーショーをツッコミながら楽しんで見ている感覚に少し近いのかなと思いました。反面教師じゃないですけど、やいのやいの言いながら、女友達と一緒に見るのが楽しい作品なのかなと思っています。
個人的に今泉力哉監督作品の空気感が好きで、それをドラマでやってくれることに、まず嬉しさがあります。あと、やっぱり文菜というキャラクターの魅力が大きい。偶像化されたヒロインではあるんですよ。言動にリアリティがあるというよりは、ツッコミながら見ているシーンも割とあって。ゆきお(成田凌)という恋人がいるにも関わらず、他の男性にも思いがあるみたいなところは、「おいおい、何やってんの?」と思いますし。
回を重ねる中で、文菜がどうして素直に恋愛に向き合えなくなってしまったのか、過去の恋愛や傷つきの体験が振り返りながら描かれていきましたけど、昔から魔性の女だった訳ではなく、ちゃんと人を好きになって報われれなかった過去があったからこそ、今があるんですよね。そこに今泉監督らしさを感じる。寂しさがあるヒロインなんですよね。どこまでも、人は孤独なんじゃないかみたいな。この先、どうなっていくのかも含めて、楽しく見ています。
明日菜子:毎週リアタイ(リアルタイム視聴)しているんですけど、大体、色んなものが邪魔をして直視できなくて、配信でもう1回ちゃんと見るというのがルーティンになっています。「恋愛で人とつながりたいけど、永遠を信じられない」みたいな文菜の刹那的な生き方というのは、先行きが見えない今の時代の若者的には「あるある」なんじゃないかなと思っていました。それが、物語も中盤まで来ると、立て続けにフられるじゃないですか。そりゃ信じられんくなるわと思いますよね(笑)。私は後半になってからの文菜の方が好きですね。
あと、皆さんに聞いてみたかったんですけど、ゆきおと文菜はどうなると思いますか?
北村:第2話で、ゆきおと文菜が一緒に椅子を買いに行くシーンがあったんですけど、それが注文して2月末ぐらいに届くみたいな話があって。その椅子が伏線じゃないですけど、届く頃にはもう二人は別れていそう(笑)。
藤原:ゆきおの同僚の紗枝(久保史緒里)もいるじゃないですか。そこの関係も何かしら動きがあるかなと思って見ています。
明日菜子:そこがくっついたら嫌だなー(笑)。私は、なんだかんだ一緒にいるんじゃないかなと思うんですよね。今泉監督のドラマ『1122 いいふうふ』(Prime Video)は、今泉さんの原作ではなかったんですけれども、アクシデントがありつつも、関係性を修復しながら再構築していく話だったから、そういう感じで落ち着くんじゃないかなと。ゆきおとは別れるんじゃないかと言う人も周りに多いですね。皆さんの意見も聞けてよかったです。
—ありがとうございます。この後は『替え玉ブラヴォー!』『探偵さん、リュック開いてますよ』『ラムネモンキー』などのドラマについて伺っていこうと思うので、引き続きよろしくお願いします。