メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

森田剛はなぜ「観客に向けて」演じないのか。山西竜矢と語る、自分を壊すための演技論

2026.1.30

#STAGE

この男の人生に取り込まれるような感覚を味わって欲しい。(山西)

—『砂の女』は、外に出ていくからこそ得られる自由と、その場に残る自由、あらゆる自由を描いている作品でもあります。お二人にとって、自由とはどんな意味を持ちますか?
 
山西:面白いけどめちゃくちゃ難しい質問ですね。もしかしたら、不自由な時のほうが自由を感じることはあるかもしれません。それこそ、『砂の女』の内容にも絡んだ話ですけど。
 
例えば仕事のことで言うと、舞台の演出をしたり、ドラマの脚本を書いたり、映画を撮影したりと色々なことをやっているので、頭の中がごちゃごちゃになってしまうことがよくあって。でも、稽古場に入ると舞台のことしかできないし、撮影に行けば現場のことしか考えられなくなる。その状態の方が気持ちが楽になるんですよね。「今は目の前のことだけを考えてやればいいんだ」って、時間も場所も制約があることで逆に楽な気持ちになれるというか。

森田:今の話を聞いていて思ったのが、舞台って決められたセリフがあって、立ち位置がある。決まりごとだらけなんです。でもその中にやっぱり自由になれる瞬間がある。そこが楽しいんですよね。ルールを守りながら、自由になる瞬間に「芝居をしていて良かったな」と感じます。

—主人公の仁木は極限状態に置かれます。もし同じ状況に置かれたら、お二人はどうすると思いますか?
 
森田:うーん、どうだろう。たぶん同じ感じになっちゃうんじゃないかな。仁木はすごくちっぽけな人間なんだけど、その気持ちもわかるんですよ。乾いた砂の中で男女が一緒にいるという設定からはどちらの可能性も想像できますよね。気が狂いそうになって逃げようとするのか、その場でのんびり過ごすのか。観客のみなさんも同じように感じることなんじゃないかなと思います。
 
山西:僕も現状をすっと受け入れて「まいっか」みたいなスタンスになっちゃうかもしれない。「自分だったらどうするか」、そこを考えるのも面白いですよね。主人公は仁木って名前は与えられているものの、あまり仁木とは書かれていないんです。絶妙に匿名性があるので、誰が読んでも共感できる要素がある描かれ方をしている。この男の人生に取り込まれるという感覚を味わって欲しいです。

舞台『砂の女』

出演:森田剛、藤間爽子、大石将弘、東野良平、永島敬三、福田転球
原作:安部公房
脚本・演出:山西竜矢
東京公演:2026年3月19日(木)〜4月5日(日)
仙台、青森、大阪公演もあり
公式サイト:https://stageoffical.com/sunanoonna/

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS