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名古屋・優しい劇団の画期的な「大恋愛シリーズ」
川添:ちなみに、丘田さんの中で、2025年はこういう作品に惹かれたなというものはありますか?
丘田:名古屋拠点の優しい劇団の活動は印象的でしたね。地域の若手団体が東京で公演を打つのはすごくハードルが高い。そこで優しい劇団が開発したのが、1日で顔合わせから上演までを行う「大恋愛シリーズ」だったんですよ。
脚本を事前にキャストに共有して、公演日の朝から初稽古をし、その日の夕方には上演するというスタイルで。2025年だけで9公演やったのですが、回を重ねるごとに、着実に集客も増えていって……。東京の小劇場でバリバリ活躍している俳優さんたちも出演されているのですが、通常の公演だったら稽古も含めて拘束時間が長いから出演できないけど、1日だったら出られる、ということもあり、実現ができているんですよね。
―画期的ですね!
丘田:元々は社会人になった劇団員とともに演劇を続けていくために主宰の尾﨑優人さんが発案した企画で、自分たちなりに活動を続けていくための1つの手段だったんですよね。私は、その発想もすごく大事だなと思っていて。
日本で俳優として生活していくのはすごく大変だと思うんです。でも、「大恋愛シリーズ」みたいな形だと、働きながら、あるいは育児や介護などの事情から俳優業をセーブせざるを得ない人も出演できるかもしれない。そういう意味でも、新たな可能性を秘めたモデルなんじゃないかなと思います。11月の本公演『光、一歩手前』も、週末のみ名古屋から東京に来て上演をするといった方法で、働く劇団員たちの出演を叶えていました。
山﨑:さっき話題に出た南極とは対照的な感じもしますね。南極は、演劇の人たちより外側で盛り上がっている感じがするんですが、優しい劇団は、特に演劇をやっている人たちが盛り上がっている気がする。
川添:東京に来て活動するか、地元を拠点にして活動するか、という意味でも対照的ですね。