INDEX
『豊岡演劇祭2025』や海外の招聘公演はどうだった?
―フェスティバルで言うと、丘田さんは『豊岡演劇祭 2025』(※)に行かれていましたよね。
※豊岡演劇祭は、兵庫県豊岡市で2020年に始まった、観光やまちづくりと連動した回遊型の演劇祭。平田オリザがフェスティバルディレクターを務め、6年目となる2025年は「演、縁、宴。」をテーマに掲げて開催された。
丘田:そうなんです。『豊岡演劇祭』にはこの何年ずっと行きたいと思っていて、やっと2025年赴くことができました。『秋の隕石』よりひと足先に、Shakespeare’s Wild Sisters Group×庭劇団ペニノの『誠實浴池 せいじつよくじょう』を城崎で観たんですよ。
川添:日本では初演ですよね。
丘田:そうですね。この作品を豊岡で観られたのは、結構意味があったなと思っています。城崎の温泉街を経由し、不思議な銭湯を舞台にしたお話を観たあとに、帰りは実際に外湯に入るという体験ができたのがすごく大きくて。
川添:城崎ではどれぐらいのサイズの劇場でやっていたんですか?
丘田:500席ほどある城崎国際アートセンターのホールが、ほぼ満席だったと思います。
川添:『誠實浴池』は私も『秋の隕石』で観ましたが、空間構成がすごく面白かったですよね。海外とのコラボ作品ですが、よくできていたなと思うし、エロスと笑いみたいな感じで楽しかったです。川端康成の『眠れる美女』(※)をベースにしているそうですが、「あの世」のお風呂場を描いていて、そこを仕切っている女の人を片桐はいりさんがやっていて。男の人が1人ずつその店に来店して、彼らのストーリーが語られる、みたいな話ですね。
※ある老人が秘密の宿を訪れ、眠ったままの若く美しい女性と一夜を共にする。



丘田:私が観た回は、城崎温泉に泊まりに来ているような海外の観光客の方が、浴衣で観ていたんです。ふらっと来るにしては、すごい作品を選んだなと思ったんですけど、その場で一緒に目撃した、という体験も込みで、すごく良かったなと思いました。
ーお話を聞いていて、演劇は「その場に行く」という要素も大きいかと思うのですが、生の体験の良さはありましたか?
山﨑:『Weathering』は匂いがしたり色々なものが飛び散ったり、特に生の体験ということが大きい作品でした。海外の作品については来てもらわないと観られないというのも大きいですよね。
これは個人的な好みなんですが、観たことがないものを観たいという気持ちがかなり強いので、印象に残った作品と言われると、そういう傾向の作品が多くなるかな。そういう意味でも、『秋の隕石』は良かったということは改めて言っておきたいですね。
川添:私は人形劇が好きなんですが、『秋の隕石』には人形劇のディレクターの山口遥子さんが入っていて、ハンダ・ゴテ・リサーチ&ディベロップメント『第三の手』とシャヴィエ・ボベス『やがて忘れてしまうもの』という、ちょっとぶっ飛んだ人形劇が2つ入っていたのも面白かったなと思いました。

山﨑:シャヴィエ・ボベスがすごく面白かったので、山口さんが企画 /統括を担当する2月の『下北沢国際人形劇祭』のチケットももう確保しました。こちらもプログラムを見るだけでも面白そう。ただ、毎日演目が変わるので、全部観ようとすると毎日通わないといけないんですよね……(笑)。
川添:人形劇祭の1回目は全プログラムを観ましたが、どれも見応えあって、すごく良いフェスティバルでした。ハズレなしなので頑張ってどうにかスケジューリングしてください!
丘田:そのときに観ておかないと、というのはありますよね。今日のお2人の話を聞いて、フェスティバルで海外の作品をチェックするのを疎かにしてしまっているなと痛感しました。
川添:でも小劇場系の演劇もそんなに再演の機会ってないから、今ここって言えば、今ここですよね。
丘田:そうなんですよね。それもあって、どうしても自分の守備範囲である小劇場の団体を優先しがちになっていて。それでもやっぱり、『秋の隕石』や『豊岡演劇祭』のような芸術祭では、自分の知らなかった新しい団体にも出会うことができるので、来年はもっと事前リサーチに力を入れて観たいと思いました。