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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

卯城竜太(Chim↑Pom)×宇川直宏×池田佳穂で語る、アートの現場としての「歌舞伎町」

2025.11.1

『BENTEN2』

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やなぎみわに会田誠、VMO。全て見ることは不可能な『BENTEN2』の見どころ紹介

―最後に、3人からそれぞれの見どころを聞いてみたいです。

池田:とにかく今回の「アー横」は出店数が多い。さらに音楽ライブ、パフォーマンス、トークショー、ワークショップ、ポップアップ展示も含めると30組近くの参加者がいます。各地域からコレクティブやグループが来てくれたり、東京在住の中国や香港のコミュニティの人たちも関わっていたり、都市のさまざまなレイヤーで活動してる人たちが次々とブースに現れるので、、生態系のように時間帯によって見どころは変わってきます。

あと「アー横」だけは最終日も25時までやってますし、最後の最後まで出店に加えて多彩なプログラムも開催しているので、ぜひ「体験」しに来てください。

―生成していく空間だから、まだどんなシーンになるかわからないのも魅力ですね。宇川さんのDOMMUNEは?

宇川:DOMMUNE KABUKICHOでは夜のトーク&ライブはもちろん、昼間の展示もエクストリームになりそうです。昨年、∈Y∋さんが指揮をとり200人のシンバル隊と演奏する、荒川放水路通水100周年記念のイベント『Arv100』がありました。荒川ロックゲートを囲んで、クレーンで吊るされた∈Y∋さんがコンダクトし音の波を200人で作り上げるという(笑)。昨年の『BENTEN』の真裏で僕らがライブストリーミングしていたそのパフォーマンスの記録を、今年は7面マルチスクリーンで歌舞伎町に持ってきます。

『Arv100』の様子
『Arv100』の様子

宇川:プログラムとして重要なのは、VMOが2DAYSセッションでMerzbowや飴屋法水さんとコラボレーションするという天変地異ですね(笑)。VMOはレイブカルチャーとブラックメタルが融合した稀有な世界観を打ち出しているユニットでザスターっていうデス声の女性ボーカリストを中心に、一筋縄では行かない複雑な音楽性を打ち出しています。彼 / 彼女たちとノイズアヴァンギャルドの世界的な頂点であるMerzbowや、「状況劇場」出身の作家である飴屋さんが連夜魔合体し、パフォーマンスをする。かつて見たことのない今世紀的な「野生」の現場が垣間見れると思いますよ。

特設ページはこちら

―では全体を踏まえて、卯城さんはどうでしょう?

卯城:やっぱりやなぎみわさんの作品が目玉の一つですよね。王城ビルで展示『ムネーメー』を、歌舞伎町能舞台でパフォーマンス『黄泉平坂〜排斥と遊戯〜』を上演してくれます。

やなぎみわ展示「ムネーメー」は王城ビルの3Fにて。写真は髑髏を投げ続ける、木製の「投てき機」 / 撮影:表恒匡
撮影:表恒匡
やなぎみわ(作 / 演出)によるパフォーマンス『黄泉平坂 〜排斥と遊戯〜』は11月3日に開催される。

卯城:僕は『BENTEN』の精神的な支柱は能舞台だと思い始めていて。公園の弁天様もそうだけど、歌舞伎町を芸術と芸能の境界線の街として捉えていったときに、能舞台はすごく重要で。能の本質を考えることと、日本の現代美術やサブカルチャーを考えることには接点がたくさんある。で、能舞台が歌舞伎町にあるなんて意外なことを、しかし本質的に捉えられるアーティストを考えたときに、メンバー間でやなぎみわさんに思い当たったんですよ。

「デカメロン」では磯村暖くんのキュレーション展も見られるし、「東京砂漠」では会田誠さんのアートサロンバー「芸術公民館」が限定復活します。

デカメロンで開催中の下司悠太『⽣活パーティー feat.みそ仕込み』の公開⽣活(実演)が開催される。来場者はイベント中、下司と共に「みそ仕込み」に参加し、⾃分で仕込んだ味噌は持ち帰ることができるとのこと。
「芸術公民館」は2010年から2012年にかけて、現代美術作家の会⽥誠が主に若⼿芸術家に向けて構えたアートサロンバーの限定復活。2025年現在に⾄るまで、会⽥と縁のある有志が営業形態を変えながら芸術公⺠館の灯⽕を受け継いでいる。

卯城:WHITEHOUSEの『生きられた新宿「Parallax City」』は、1975年にMoMAで評論家の多木浩二らがやった新宿についての展覧会を引用するプロジェクト。涌井智仁くんと建築コレクティブ「GROUP」がその展示を読み取って、批判的なアプローチも試みてるらしいから、資料の展示を超えたおもしろいものになりそう。

1975年MoMAで開かれた展覧会『Shinjuku: The Phenomenal City』、つまり『新宿展』は、当時の西洋と日本の文化的 / 地政学的なギャップを皮肉的に表現している展覧会であり、ある限定的な視点によって縮減された「TOKYO」を登場させた。そこに招聘されていた批評家の多木浩二が当時撮影していた2000枚あまりの新宿の写真の一部を、『BENTEN2』では涌井智仁のキュレーションにより展示する。 / 撮影:中川道夫

卯城:その展示の一環で「唐組」のセットを丸々お借りして、王城ビルにステージが組まれます。そこではかつて新宿で行われてきた前衛美術のゲリラアートとか、アクティビズムによる路上の実践とか、いろんなアーカイブを見せつつ、パフォーマンスなどがライブで起こる場になる予定です。

1963年に唐十郎は劇団「シチュエーションの会」を旗揚げし、1964年に「状況劇場」に改名、1988年より、劇団名を「唐組」と改めた。紅テントは、1967年夏、新宿の花園神社に突如出現してから、神出鬼没な移動式テント劇場として演劇界に新風を吹かせたもので、「唐組」の別名として通称されている。『BENTEN2』では王城ビルの2Fで3日間パフォーマンスを予定。

―大変な密度になりそうですね(笑)。

卯城:いつ来ても何か見られると思いますよ。

池田:全部を見れる人はいないというのもいいですね。

―主催者も全てを目撃できないでしょうからね。鑑賞者によって印象が変化する有機的なイベントになりそうで、今から楽しみです!

『BENTEN 2 Art Night Kabukicho』

■テーマ:都市の再野生化
■会期:2025年11月1日(土)15:00-5:00/11月2日(日)15:00-5:00/11月3日(月・祝)15:00-23:00
※会場によって開場時間が異なります。公式WEBサイトやSNS等によりご確認ください。
■会場
歌舞伎町地区一帯(王城ビル/歌舞伎町能舞台/デカメロン/WHITEHOUSE /東京砂漠(旧芸術公民館) /THE FOUR-EYED ほか)
※シネシティ広場にて歌舞伎超祭2025を同時開催予定
■公式ウェブサイト http://benten-kabukicho.com
■Instagram https://www.instagram.com/benten2025_kabukicho
■主催:歌舞伎町アートナイト実行委員会
■連携:歌舞伎超祭2025、歌舞伎町EXPANDED、FINALBY ( )、「生きられた新宿」実行委員会
■協賛:歌舞伎町商店街振興組合、遠山正道、東急株式会社
■後援:新宿区、一般社団法人新宿観光振興協会
■助成:アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
■協力:The Chain Museum、株式会社AI AGENT、一色事務所、株式会社 ユニカ

Artist
やなぎみわ/安田登/金沢霞/渡邉尚/JanMah/DOMMUNE/宇川直宏/∈Y∋/COSMICLAB/VMO/Merzbow/菊地成孔/大谷能生/飴屋法水/新種のImmigrationsB x 野宮真貴/MES/三好彼流/齋藤帆奈/唐組/稲荷卓央/福本雄樹/原田つむぎ/山本十三/佐藤舞希子/三野新/尹苑/麻生子八咫/下司悠太/GROUP/吉見俊哉/卯城竜太/伊東豊雄/会田誠/岡田裕子/岡啓輔/布施琳太郎/トモトシ/平山匠/THE COPY TRAVELERS/〇九一四/KANE-ZANMAI 金三昧/存在飯店/コウシンキョク/高瀬川モニタリング部/山中suplex/玄人の乱/風のひと、/Pylon Shop/satokai publishing:-)/ヌトミック/村上豪(パンクロッカー労働組合・赤い暴動バンド)/青い風よ(Aokid+酒井風+よだまりえ)/今尾拓真(Ft. 菊池航, 田上碧)/M集会/素人の乱残党ラジオ/Modern Angels/トモ都市美術館/浅間温泉だらず荘/モテギミユ/透明輻射/芳賀菜々花/ぼく脳 …and more!

プロジェクトメンバー
歌舞伎町アートナイト実行委員会:卯城竜太、手塚マキ、山本裕子
キュレーター:Chim↑Pom from Smappa!Group(卯城竜太、エリイ、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求)、山本裕子、涌井智仁、池田佳穂、磯村暖
アートディレクション・デザイン:林靖高(Chim↑Pom from Smappa!Group)、Smappa!Group
PR:山本彩、Smappa!Group
プロジェクトマネージャー:芦部玲奈、中村奈央

チケット情報
ArtSticker(https://artsticker.app/events/94416)にてお得な前売りチケット販売中(10/31 23:59まで)
一般(1DAYチケット):3,000円(前売)、3,500円(当日)
一般(フリーパス)*3日間入場可:6,000円(前売)、7,000円(当日)
18歳未満:2,500円
中学生以下:無料
個人協賛:BENTEN応援チケット 1口 10,000円

※一部プログラムは別途料金のお支払いが必要となります。
※18歳未満の方は、条例により22:00~5:00の入場をご遠慮させていただきます。
※中学生以下の方は保護者の同伴が必要となります。
※障がい者手帳をお持ちの方とその同伴者(1名まで)については、無料とさせていただきます。会場内、また会場までのご移動については、同伴者の方に介助いただきますよう、よろしくお願いいたします。
※王城ビル、新宿歌舞伎町能舞台、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠にはエレベーターがございません。フロア間の移動はすべて階段をご利用いただきます。
※当日に限り何度でも再入場可能です。
※開場時間等に変更が生じる可能性がございます。ご来場前に必ず公式WEBサイトやSNSにより最新の情報をご確認ください。
※当日チケットのご購入は、王城ビルのみで行います。また、オンラインでチケット購入済みの方も、王城ビル受付にてチェックインを行います。ご来場の方は、最初に必ず王城ビル受付へお越しください。

公式サイト:
https://www.benten-kabukicho.com/

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