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兄を演じたオダギリジョーについて
ーご自身のお兄さんをオダギリジョーさんが演じたことに関しては、いかがでしたか?
村井:最初はオダギリさんってかっこいいし、兄と全然似てないんじゃないかと思ってたんですけど、映画を見ていると不思議とちょっとずつ重なってくるのでびっくりしました。表情とか、妙に明るいところが似てるんです。兄は結構コミカルな部分もある人だったので、オダギリさんの愉快な感じが似てるなと思いました。常につかみどころがなくて、へらへらしてるんですよ。それにスーパーハイテンションだったので、車の横を走ったりするシーンもありましたが、本当にやりそうだなと思いました。でも、オダギリさんも監督も実際に兄を見ているわけではないのに、なんで分かるんだろうと。
中野:会えるものなら会ってから映画が撮りたかったですが(笑)、村井さんから新たにお話を聞いて、原作の中のお兄さん像を膨らませてイメージしました。憎たらしいときは憎たらしいんだろうなとか、それでも愛してしまう部分はあるんだろうなとか、そしてやっぱり村井さんはお兄さんのことが好きなんだろうなということは、村井さんから話を聞いて思いました。だから、映画としても、そういう風に持っていったという感じです。

ー監督がイメージしたお兄さんと、オダギリさんが準備されてきた演技としてのお兄さんは一致していましたか?
中野:オダギリさんは、脚本を読んで役作りしてきてくれました。僕からは「憎たらしいところは本当に憎たらしくやりましょうね」って言ったんですけど、見事にやってくれましたね。その憎たらしさがあるから、その後のシーンが生きてくるので、中途半端な憎たらしさじゃなくてよかったです。