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先行きも、「正解」もわからない時代だからこそ、作品に落とし込んだ感覚
─砂原さんの立場は、単にサウンドのまとめ役のみならず、様々な場面でディレクションをしているわけですね。The Art Of Noiseにおけるトレヴァー・ホーンみたいに、プロデューサーもメンバーにいるバンドのような状態でしょうか。
白根:そうかもしれないですね。言葉選びとか、作詞のアイデアもそうですし、それこそ今回の「もや(Haze)」というのも砂原さんの提案ですしね。
砂原:僕はやっぱり、俯瞰で見たいので。ケンちゃん(白根)も俯瞰派だと思うし、年長組は全体のバランスを見る役割。我々が土台や柱で、LEOくんと永井氏が神輿の上で暴れる、そんなイメージです(笑)。

─今回のアルバムの「Haze(もや)」は、どういうイメージなのでしょうか。個人的には、「正解」を欲する一方で、AIのようなテクノロジーの急進的な発展で先行きが見えない不安も同時に抱える時代のムード、のようなものを感じ取りました。
砂原:うーん。まあ、そういう時代ではあるとは思うけど、別にそれに対して音楽を通して何か言いたいわけではないです。
ただ、最初に言った「バンドとしての認知度を上げたい」というのは、もっとコミュニケーションを取りたいという気持ちの表れではあります。もっと多くの人に聴いてもらって、どう感じたか知りたいし、そのリアクションを反映してまた音楽を作りたいんです。
白根:確かに、TESTSETの音楽は世の中への明確なメッセージがあるわけではないですね。1990年代はもっとこういう時代だったとか、俺らがこういう世の中にしていこうとかは意図してないですから。かといって、今の社会に向き合うことについて、匙を投げてるわけでもなく……。

白根:正解を目指しているんだけど、そこにはたどり着けなくて、でも共感できる、みたいな感覚というか。映画でいえば、わかりやすいハッピーエンドの作品よりも、曖昧だけど、何か心に残るような、そういう作品を目指してる、といった感じ。
砂原:そう、『ALL HAZE』が、時代や状況を打破するためのヒントになっている……というわけではないですね。言語化するのが難しい部分ではあります。
ライブの感想にしても「よかったです」以上のことを言うのって、かなり難しいと思うんですよ。言語化できない部分が多いんですけど、そこも含めて、今後どうやっていくかを考えているのが、バンドとしてリアルな現在地ですね。

─昨年のTESTSETのインタビューで永井さんが、「(TESTSETは)通好みの音楽に見られるのはまた違うというか(略)いろんな人に聴いてもらわないと意味がないと思います」と語っていて、それが印象に残っています。
砂原:それもやっぱり、「もっと聴いてほしい」「認知度を上げたい」ということですね。人にもっと見てもらいたい。
作品としてはレイヤー(階層)になっているイメージで、「通好み」な要素も含まれているから、マニアックに聴くこともできる。けれど、そこだけにこだわらず、間口は広く、外に向けていく必要はあるかと思います。
わざわざ4人、集まってやっているわけで。「ただのロックバンド、テクノバンドと一緒にすんなよ!」という気持ちもありますしね(笑)。

TESTSET『ALL HAZE』(CD)

2025年10月22日(水)発売
価格:3,410円(税込)
WPCL-13664
1. Dry Action Pump
2. Vapour Cream
3. Neuromancer
4. Enso
5. Coptic Feet
6. Deleter
7. Rabbit Hole
8. The Haze
9. Initiation
https://testset.lnk.to/ALLHAZE
TESTSET (砂原良徳 × LEO今井 × 白根賢一 × 永井聖一) 『LIVE ALL HAZE』

2026年1月30日(金)
会場:東京都 EX THEATER ROPPONGI
開場 18:00 / 開演 19:00
料金 ¥8,000 (1D 別) 全席指定
INFO: HOT STUFF PROMOTION: 050-5211-6077 https://www.red-hot.ne.jp
<先行販売情報>
TESTSETオフィシャル先行予約受付(抽選)
期間: 10月22日(水)20:00〜11月3日(月・祝)23:59
先行URL: https://eplus.jp/testset/
●チケット一般発売 11月29日