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TESTSETのサウンド、歌の支柱となる砂原良徳のディレクション
─ドラムについては、砂原さんが細かくディレクションするのでしょうか? 「こういうふうに叩いて」というような。
砂原:いや、というよりは「ここの音って、あの曲のあの感じだよね」「ああ、そうそう」みたいな感じですね。やはり世代的なバックグラウンドも近いし、そこは自然とわかり合う感じです。「そうじゃないんだよなあ」というような衝突は、今のところないですね。

白根:砂原さんとは気になるポイントがやっぱり近いな、といつも思います。フレーズもそうだし、ちょっとしたゲートリバーブのエコー(※)とか、打ち込みと人力の混ぜ具合とか。
それと、砂原さんは歌のディレクションには本当に唸らされました。“The Haze”の歌録りの際に立ち会ったんですが、ボーカルの導き方、判断の的確さに感心させられました。
※筆者注:1980年代に流行したドラムのエフェクト
─スーパーカー“YUMEGIWA LAST BOY”(2002年)、ACO“悦びに咲く花”(1999年)、やくしまるえつこ“神様のいうとおり”(2010年)など、砂原さんがプロデュースした歌ものは傑作ばかりです。現場ではどのように歌のディレクションをされているのでしょうか?
砂原:自分で歌うわけじゃないし、好き勝手言ってるだけですよ(笑)。でも電気グルーヴの頃から、スタジオで声を録る現場はずっと見ていたから、どうやったらいい歌が録れるかは昔から考えていました。
「この人は何回も歌わせない方がいいな」とか、逆に「もうちょっと歌ってもらったほうがいいな」とか、人によって合った歌い方もあります。食前・食後でも声は変わりますしね。

砂原:今回のアルバムだと、永井氏が歌う曲が増えましたけど、少しずつ歌手としてのキャラが確立してきたんじゃないかと思います。リードボーカルとして歌うのはTESTSETに入ってからですけど、もっとよくなると思いますね。
TESTSETを始めるにあたって、全部がLEOくんのボーカルではなく、永井氏も歌うし、2人が一緒に歌う曲もある……というイメージが最初からありました。そのイメージにどんどん近づきつつありますね。