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TESTSET砂原良徳&白根賢一が語る。テクノもロックも、正解が曖昧だった90年代を経て

2025.10.24

TESTSET『ALL HAZE』

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人力とテクノの間のビートを生み出した高橋幸宏、TESTSETが受け継いだもの

─TESTSETにおける価値判断の土台には、「1980年代的なサウンド」がひとつある気がしますが、実際にはいかがですか?

砂原:意識するときもありますが、「俺たち80’sスタイルのバンドだぜ」と、わざわざ主張する感じでもないですね。

あと、1980年代の音って誰にとっても聴きやすい音なんじゃないかな。あの時代のポップスって、すごく整理された音だと思うんですよ。ドラムやベース、コードにせよメロディーにせよ、シンプルで効率的にアレンジされているように感じますね。

TESTSET『ALL HAZE』収録曲(各ストリーミングサービスはこちら

─個人的には白根さんが作曲した8曲目の“The Haze”は“今だから”(※)のような、80’sテクノ歌謡のフィーリングを感じました。

白根:ハハハ、嬉しいですね(笑)。

砂原:“今だから”はアレンジを教授(坂本龍一)が、ドラムを(高橋)幸宏さんが叩いてる曲ですね。あの曲は「フィル・コリンズみたいな感じで」と言われてああなったと幸宏さんが以前言っていました。

白根:へえ、ご本人がそう言ってたんですか? 面白いですね。

※筆者注:松任谷由実・小田和正・財津和夫のコラボレーションシングル。演奏・アレンジに坂本龍一と高橋幸宏が参加。1985年リリース(YouTubeを開く

─やはり、おふたりにとって、あの時代の音楽というのは重要ですか。

砂原:まあ、それしか知らないから(笑)。僕と白根くんは1980年代に10代を過ごしたというのが前提にあるけど、世代じゃない若い子でも、1980年代っぽい音を意図せず出してるときもありますしね。

白根:自分にとってはもう身体の一部というか、無意識に、自然とあの時代のメロディーやアレンジが出てきている気がします。

砂原:ドラムの打ち込みにしても、僕もやっぱり幸宏さんの影響はすごくありますよ。ドラムの音色やパターン、ちょっとしたフィルだったり、手癖的な部分も含めて。

LEO今井が作詞作曲を手がけたMETAFIVE『META』(2016年)収録曲のスタジオライブバージョン

白根:幸宏さんって、デジタルなリズムでも、フィルだけはヒューマン(人間的なノリ)で叩いてて、そのバランス感覚みたいなのは緻密に考えてらっしゃったと思います。フィルの前にもゴーストノートが入っている感じとか。

─「ダンダダッ」と歯切れよいフィルで終わる展開が「ユキヒロ・エンディング」と呼ばれているくらい、かなり特徴的な音ですよね。

砂原:だから今回の自分たちのアルバムでも、フィルは生で叩いてます。タムドラムを使うフィルって打ち込みだと、デモ音源っぽくなっちゃうから。ここはもう白根くんに叩いてほしいなと。

TESTSET『ALL HAZE』収録曲(各ストリーミングサービスはこちら

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