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野球から俳優へ。水上恒司が自身の活動を振り返り語る「まだ何者でもない」

2025.10.7

#MOVIE

「いい俳優」より「いい人間」でありたい理由

—『シナントロープ』は「選択」や「運命」といったテーマを大きく扱う作品です。水上さんご自身は、これまでの人生で大きな選択を迫られた経験はありますか?

水上:あります、あります。野球ばかりしていた人間が、俳優になると決心するのもとても大きな選択でしたし、この仕事を引き受けるのか、それとも引き受けないのか、緊張した雰囲気の中で自分の意見を言うのか、それともぐっと我慢するのか、などなど日々選択を迫られているといっても言い過ぎではないと思います。

—野球から芸能の世界へって大きな選択ですよね。俳優として生きていくと決めたのには何かきっかけがあったんでしょうか?

水上:うーん、僕って良くも悪くも短時間でふっと深く入りこめるんです。惚れやすいというのもあるのかもしれません。最後の夏の大会を敗退してしまったタイミングで、演劇部に声をかけてもらって、そこで演じてみたらすごく楽しくて。惚れやすく、衝動的な自分を認めてあげたことで、自然と俳優への道を選べました。

—いわば衝動的に、俳優になることを決めたんですね。

水上:そうですね。衝動というか直感を信じたんだと思います。僕、自分の直感を信じることにしているんです。直感に従って生きてきて、大きな間違いをしたことって実はほとんどないんです。まわりの人にアドバイスを求めることもありますが、その人の意見と僕の意見が異なる場合は、自分の声にしたがって選択するようにしています。

—では、俳優を辞めたいと思ったことはない?

水上:ないです、ないです。自分の演技をテレビやスクリーンを通して見てもらえる喜びを一度でも知ってしまったら、この世界からはなかなか抜け出せないと思います。何にも代えがたいものですから。

ただ、18歳でこの世界に入ったばかりの頃は、「カメラの前で演技することだけが仕事」だと思っていたんです。でも実際には、演技以外にもいろんなことをしなければいけない。そのギャップには正直びっくりしましたね(笑)。

—例えば、今日みたいな取材とかですか?

水上:そうですね(笑)。自分から俳優を辞めたいと思ったことはないですが、まわりから「辞めろ」と言われたらいつでも辞められると思います。いい俳優になりたい以上に、いい人間でありたいと思っているので。

—水上さんにとっていい人間とは?

水上:自分の持っている技術や、知っている知識などを次世代にきちんと伝えられる人、かな。やっぱりこの世界はまだまだ体力勝負なところがあり、あまり寝られていないアシスタントの方もたくさんいらっしゃいます。そこを少しでも改善していきたい気持ちはありますね。僕一人の力ではどうにもできないかもしれないけど、業界がより豊かになっていくには、若い世代が働きやすい場所を作るのが大切。成し遂げられなくてもまず何か動き出したい。次世代のために動き出せる人でありたいです。

このように、目の前のことを広く捉えられるようになったのは、何者でもなかった頃に野球をやっていたことが大きい気がします。チームプレーをしていたことは、今の仕事にもいきてるんじゃないかな。

ドラマプレミア23『シナントロープ』

10月6日(月)スタート
テレビ東京系にて毎週月曜夜11時6分放送
出演:水上恒司、山田杏奈、坂東 龍汰、影山優佳ほか
https://www.tv-tokyo.co.jp/synanthrope/
各話放送終了後から「Prime Video」や「TVer」でも配信

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