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高城晶平が振り返るceroの5年。大切だったのは、「3人でいる」こと

2023.5.1

#MUSIC

常にオルタナティブみたいなことを念頭に置いてやっていかないと、あっという間に搾取されちゃう。

―ceroは2019年に開催された『FUJI & SUN』の初回に出演されていますが、当時の印象はいかがでしたか?

高城:やっぱりエルメート・パスコワールを見た印象がダントツにでかくて、最高に面白かったですね。高校の友達がたまたまいて、全然エルメートとか聴かなさそうな子だったんですけど、キャンプが好きで、会社の人たちと来てて、わけもわからずエルメートを見て、「なんかすごいね!」ってなってて(笑)。ああいう場がないと出会うはずのない人たちが出会ってる。それが見れたのは他人事ながら嬉しかったです。

―主催者が意図をもってキュレーションをしていて、行ったら発見があるというのはひとつの理想的な形ですよね。

高城:たくさんステージがあるのも楽しいけど、最近はわりとギュっとしたフェスも増えてるというか、『FRUE』みたいにフォーカスしてる感じのフェスは好きですね。

―コロナ禍によって、「人が集まる」ということに対する感覚自体が大きく変化して、フェスという場に参加する人の意識も大きく変わったように思います。いま求められているのはどういった「場所」だとお考えですか?

高城:2020年にドライブインシアター的な感じでライブを観るイベントにceroで出たんですよ(2020年9月に山中湖で開催された『DRIVE IN LIVE“PARKED”』)。ディスタンスを守るために、車でステージ前まで来て、車場販売みたいな状態でライブをする。こっちは車に向かって演奏するわけで、すごくシュールな光景で、忘れられない思い出のひとつなんですけど、ただ「これはなんか違うよな」とは思わなくて、それより「たくましいな」と思ったんです。雨が降ったら車に乗ればいいし、子供を中で寝かせたり、荷物を置いておけたり、結構利点もあって、「これでいいじゃん」と思った人もいたはずで。

高城:だんだんコロナが収束してきて、ああいう形態も歴史から忘れられていくのかもしれないけど、引き続き普通のフェスのなかに「車エリア」みたいなのがあってもいいわけで。「人が集まる」っていうことがどういうことなのかを、どこのフェスもライブハウスも考え直しただろうし、そうやって立ち返ったことを忘れて元に戻すんじゃなくて、そのなかで発見したことや感じたことを残したうえで進んだ方が、きっと有益でしょうね。

―この3年間の中で行われたさまざまなトライから得た知見をちゃんと持ったうえで、これからの場づくりをしていけるといいですよね。

高城:この3年間で一番大きくなったのはライブ配信で、もちろんいろんな利点があると思うんですけど、目の前にいるお客さんよりも配信の方を大事にするのもどうなのかなと思ったりもして。いろんなやり方が増えた分、それをちゃんと自分で判断することも必要になるというか、常にオルタナティブみたいなことを念頭に置いてやっていかないと、あっという間に搾取されちゃう。コロナ禍で見つめ直した自分の軸足みたいなものをちゃんと確認しながら、これから活動していきたいと思いますね。

『FUJI & SUN ’23』

2023年5月13日(土)静岡県 富士山こどもの国
OPEN 9:00 / START 10:30

出演者:
SUN STAGE:never young beach、折坂悠太(band)、ハナレグミ、EGO-WRAPPIN’(Acoustic set)、cero
MOON STAGE:ピーチ岩崎、吉原祇園太鼓セッションズ、TOP DOCA、THE SIDEBURNS with Martin kinoo、優河、君島大空

2023年5月14日(日)静岡県 富士山こどもの国
OPEN 8:00 / START 9:00
出演者:
SUN STAGE:ROTH BART BARON、ブレッド&バター、木村カエラ、スガシカオ with FUYU、ASIAN KUNG-FU GENERATION
MOON STAGE:Lil Mofo、寺尾紗穂、岡田拓郎、マヒトゥ・ザ・ピーポー

オフィシャルサイト:https://fjsn.jp/

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