グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月11日は、NPO法人・東京レインボープライドの共同代表理事、杉山文野さんからの紹介で、エモーショナルダンサーの高村月さんが出演。King Gnuや大橋トリオなど様々なアーティストのミュージックビデオへの出演や振付を担当し、俳優としても活動するなど多方面で活躍する高村さんに、ダンスとの出会いから、エモーショナルダンサーという肩書きを背負うまでの経緯や、演技とダンスの関係性などについてお話を伺いました。
INDEX
生きている環境を丸ごと表現するエモーショナルダンサーになるまで
Celeina(MC):まず私の方からプロフィルご紹介させていただきます。高村さんは、1997年生まれ、兵庫県出身のエモーショナルダンサー。これまでKing Gnuや大橋トリオなど様々なアーティストのミュージックビデオへの出演や振付を担当されています。NHK紅白歌合戦には、MISIA、LiSAのステージに出演。2020年には米津玄師のツアーライブ『HYPE』に参加。2021年には、オリンピック組織委員会が主催する、『TOKYO2020 NIPPON FESTIVAL「わっさい」』の振付を担当されています。そして現在は、俳優としても活動されているということですね。
高村:そうですね。
タカノ(MC):輝かしいご経歴なんですけれども、昨日の杉山さんが、一言で表せないっていうふうにね、言ってました。
高村:いやいや、ありがたいです。ありがとうございます。
Celeina:まずお伺いしたいんですけど、ダンスは、いつ、どんなきっかけで始められたんですか?
高村:幼稚園生の頃、地元の小学校でやっていた夏祭りで、大学生の方が“スクワ”っていう曲でダンスをしてたんですよ。そのダンスっていうのも、ストリートダンスとかではなくて、近所の人みんなで踊れるような、体操みたいなダンスをしてて。それを真似して踊ってみたら、今でも思い出せるくらいの高揚感を味わって、それで「踊るってこんなに楽しいんや!」って思いまして。
そこからダンスがしたいとずっと思ってたんですけど、なかなかダンスをする場所がなかったんです。地元は兵庫県なんですけれど、その2年後ぐらいですかね。家のポストに公民館でダンススクールが始まったっていうチラシが入ってて、それを見て、すぐに飛んでいきました。そこからダンスを始めましたね。
Celeina:すごい。最初は公民館で踊りを習いに。
高村:小学3年生でしたね。公民館に行って、初めてヒップホップダンスに触れました。僕、不器用だったみたいで、なかなかダンスは上達しなかったんですけど、公民館で一緒に習っていた友人から紹介されて、大阪のダンススタジオに行ってみたりとか、大人の人とレッスンを受けてみたりっていうレッスンを増やし始めて。そこから、いろんなダンスイベントとかダンスコンテストを知って、中高はずっとダンスのコンテストに出てました。
タカノ:そうだったんですね。
Celeina:コンテストから派生して、今、お仕事という形でダンサーをやられてると思うんですけど、お仕事に切り替わったきっかけは覚えてらっしゃいますか。
高村:上京がきっかけだったんですけど、上京するまではコンテストに出続けて、その後、20歳を超えてインストラクターをずっとやってたんです。これ「エモーショナルダンサー」の名前の由来にもつながってくる話なんですけど、僕が東京で出会った「Oi-chan」っていう人がいるんですね。
タカノ:Oi-chan。
高村:Oi-chanっていう人は、僕の人生を大きく変えた人なんですけど、ある日、Instagramのダイレクトメッセージに急に連絡が来て。それがミュージックビデオのお誘いで、初めて東京でお仕事したんですけど、そのときに「なんだこの世界は?」っていう。今まで、コンテストとかクラスの中で、ある程度ジャンル分けされたダンスの世界でずっと生きてきて。自分が踊ったら点数がついたり評価がついたりする中で、自由に踊るっていうことがなかなかしにくかったのですが、ミュージックビデオの現場で自由に踊ってみてって言われたときに、本当に自由にやっていいですかっていう驚きと解放感がありました。初めて即興で踊ってって言われて、めちゃくちゃ緊張したんですけど、それと同時に、これが許されるんだっていう。感覚的に「これがしたい!」と思って、それきっかけで上京しましたね。
Celeina:競技としてのダンスというよりは、もっと芸術としてのダンスみたいな方向に変わっていったんですかね。
高村:そうですね。自己表現。形とか枠組みが無い、「今、生きてます」で踊れる世界に出会えたっていう感覚がすごい嬉しかったです。
タカノ:King Gnuの“三文小説”のミュージックビデオを見させていただいて、エモーショナルダンサーという肩書きが、まさに、これだって思ったんですけど、背中だけで悲しみとか苦しみも表現されてるような感じがしました。これ、どうやって作ってるんですかね?
高村:エモーショナルダンスっていうのも、自分がいろんなジャンルを経てやってきた自分の踊りの形なので、特定の型があるわけじゃないんですけど、自分が大事にしているのは、例えば、お腹が痛いからうずくまるとか、暑いから窓を開けるとか、喉が渇いたから水を飲みたいとか、そういう普通に人生を歩んでいく中で無視できないような感情とか、普通にダンスとして見たら弾いてしまうような日常の動きっていうのを、全部嘘なく取り入れたいっていうのがありまして。だから、踊りながら、今の生きている環境をしっかり大事にして、それを全部丸ごと表現するっていうのを意識してやってます。
Celeina:高村さんの人生とか生活とすごい密接に結びついてるというか、誰しもが感じる日々の欲求、人間的な欲求じゃないけど、誰しも共感できる感情をダンスにされてるからこそ、引きつけられるというか。
タカノ:高村さんの話を聞いて、もう1回ミュージックビデオ見ると何か違うかもしれないですよね。では、ここで1曲。高村さんに、この時間にみんなで一緒に聴きたい曲選んでもらいました。
高村:はい。僕がミュージックビデオにも出演した曲なんですけど、King Gnuで“三文小説”。