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中国のバンドブームをどう思う? レジェンド・Carsick Carsが語るシーンのいま

2023.12.20

#MUSIC

いいライブの判断基準は、自分を全てさらけ出したかどうか

ーCarsick CarsはSorry Youthのヨーロッパツアーに帯同するなど海外でも精力的に演奏しています。海外での演奏経験はバンドにどんな影響を与えているでしょうか?

チン:この3人が同じ方向を向く、良い機会です。私たちは長年一緒に活動しているけれど、ご飯に行ったりするような仲良しバンドではないんです。でも、国を出ると一緒に色んなことを乗り越える必要がありますから。エヴァンゲリオンに例えると、第3新東京市で3人の力を合わせて第10の使徒に立ち向かうイメージ(笑)。

ショウワン:今回の日本公演の経験を映画に例えるなら、自分にとっては『ロスト・イン・トランスレーション』かな。新しい環境で言葉もわからないから夢の中にいるような感覚になります。でも、ステージに立つとふと目が覚めて、また手触りのある現実やメンバー、お客さんとのつながりを感じられる状態に戻るっていう。

ショウワン( Vo &Gt )

ー今回、日本で演奏してみていかがでしたか?

ウェイスー:日本のライブハウスの皆さんは、技術的にも佇まいもプロフェッショナルですよね。バンドシーンが成熟して長い分、常に最新設備というわけではないかもしれないのだけど、それは全く気にならないほどでした。中国国内はライブハウスが拡大中で最新の機材を見かける機会も多いけれど、ライブを作り上げるのはあくまで人で、機材は一部だということに気づきますね。

ー最後に、Carsick Carsの活動を追っていると、「自分が信じることをやれ」というメッセージが込められているように思います。その点についてはいかがでしょうか。

ウェイスー:正直、そこまで深く考えていないというのが本音です(笑)。単純に音楽が好きだから続けています。でも、アジアにはいっぱい素敵なバンドがいますよね。西洋の音楽様式をベースに独自性を付け加えているのがアジアのロック。僕たちもその点はプライドを持っているし、皆もプライドを持っていいと思っています。

チン:音楽に限らず、たとえば絵画でも、良い作品って観た後に落雷に打たれるような衝撃を受け、発信者のエネルギーや思い、世界観が一気に伝わってくることがありますよね。そういう感覚を音楽で持ってもらうためには、ライブで自分のすべてをさらけ出すことが必要で、それができたかが良いライブの判断基準です。これが伝わった結果、「やりたいことをやれ!」と感じられたのかも。

ショウワン:音楽を作ることは全ての原点で、そうではなくなるなら生活する意味がないと考えているのが3人に共通する価値観です。そのメンバーで作り上げた音であることは、バンド結成以来、自信を持って言えることだと思います。

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