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中国のバンドブームをどう思う? レジェンド・Carsick Carsが語るシーンのいま

2023.12.20

#MUSIC

若手アーティスト発掘のポイントは「赤い瞳」をしているか?

ーチンさんは、北京拠点の大型レーベルで、デビュー以来Carsick Carsのリリースを手掛けるMaybe Mars Records(兵马司唱片)の共同創設者である一方で、2015年にRuby Eyes Records(赤瞳音樂)の立ち上げにも関わっています。この2つのレーベルにはどういった違いがありますか。

チン:Maybe Mars Recordsは2007年の創立以来2010年代前半にかけて、ポストパンクロックのジャンルでクールなバンドを次々と発掘し、北京のシーンを築いたんです。しかし時代が変わって、新しい音楽性のアーティストもどんどん出てきて、彼らをフックアップする必要も出てきた。Ruby Eyes Recordsはジャンルを問わず、新しいアーティストを表に出していくという方針です。

ショウワン:Ruby Eyesで扱うアーティストは多元的でありつつ、Maybe Marsの精神性を継承しているよね。

チン(Dr)

ー新しいアーティストの発掘で重視しているポイントはありますか。

チン:レーベル名の通り、「赤い瞳」、つまり熱い目をしているか? そして作品に強さがあるか? ということです。たとえ有名ではないアーティストでも、ライブを見て衝撃を受ける感覚ってありますよね。そういうアーティストをサポートしたいんです。だから有望だな、と感じたアーティストに出会ったときは、必ず一度会いに行って深く話します。一度レーベルに入れば、活動が軌道に乗るよう、親友のようにサポートする。

ー中国大陸だけではなく、台湾のサイケサーフバンドCrocodelia(鱷魚迷幻)のツアーも手掛けました。台湾ではサイケデリックロックの自体のファンベースが大きくない中、あえて中国でツアーを組んだ理由は?

チン:彼らもそうした「熱い目」をしていたからです。コロナ禍で少し台湾とのつながりが薄れてしまった側面もありますが、最近注目している台湾のバンドは「昏鴉(The Murky Crows)」。ロマンチックな音楽性なのでぜひ聴いてみてください。

ーチンさんがそうした、レーベル業や若手のバンドから得られるものはありますか?

チン:一番大事なのは新しい音楽を聴き続けることです。今は新しいサウンドを生みだすのが難しい時代になっているから、気を抜くとパターン化していたり、古い価値観のままで止まってしまう。「認知症」みたいにならないようにするのが大事だと思っています。

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