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「傷つきやすくても大丈夫だよ、と伝えたかった」
―アルバムの作業はどのように進んだのか教えていただけますか? 弾き語りのようなシンプルなデモを作って、トラックを構成したのでしょうか? それとも先にトラックがあって、それに歌をのせたんですか?
ROMY:作業の方法はだんだん変わっていったんです。最初は詞が先にできて、それにメロディーをつけていったんだけど、セッションが進んでいくと自分自身もっと作曲について知る必要があると感じて、メロディーやコードについて勉強をして。それからはアコースティックギターでシンプルなデモを作ってフレッドに送ったり、彼のトラックのアイデアに私がメロディーをつけたり、できることの幅が広がっていきました。

―The xxでの作業との一番の違いはどんなところですか?
ROMY:The xxとはまったく違っていて、The xxは3人が集まって作業するんです。その中で、いろんな音楽やアイデア、感情をシェアして話し合う。時にはとても抽象的になるし、何か特別な織物を作っているかのようで。今回のソロプロジェクトはより具体的でダイレクトに作業を進めたかったし、それができました。どちらも特別な体験だと思います。
―”Strong”からはBe Yourself、Accept Yourself、Release Yourselfという、僕が多くのパーティーから受け取った最大のメッセージと同じテーマを受け取りました。このメッセージを伝えようと思ったきっかけはなんですか?
ROMY:そう感じてもらえてとても嬉しい。ダンスミュージックの中で、微細な感情、思慮深いメッセージを伝えたいと思ったし、踊りながら聴き流していた詞に気がついて、「ん、待てよ?」と考えさせられる、深みのある曲が好きなんです。

ROMY:2000年前後のユーフォリックな音楽が、「ここは安全で素晴らしい場所よ」というメッセージをこの曲に込める手助けをしてくれました。「傷つきやすくても大丈夫だよ」と伝えたかったし、それは自分だけじゃなくて、不安な気持ちやネガティブな感情を溜め込んでいる若い人たちに向けたメッセージでもあって。私も昔はいろんな不安を感じて「自分は大丈夫、大丈夫」って言い聞かせていたし、それは今でもそうなんですが、オープンマインドになることが自分の助けにもなるんだと思い出させてくれる、そんなテーマの曲です。
―”Enjoy Your Life”について聴かせてください。僕は”Enjoy Your Life”を聴いた時にPete Hellerの”Big Love”やStardustの”Music Sounds Better With You”などの2000年前後のとてもポジティブなハウスを思い出しました。コロナの間はクラブにも行けなかったので、週末になると家で”Enjoy Your Life”や昔のハウスを聴きながらパーティーをやっています。あなたもクラブではなく家で友達や仲間で集まってパーティーをしたりしますか?
ROMY:それは最高ね! 私もロックダウンの間はパーティーが恋しくて、キッチンで妻と一緒によく踊ってました。そういう時期に自分がどれほどパーティーやダンスが好きか再認識したし、友達たちにも会いたかった。友達たちと出かけるのが大好きだし、お酒とか関係なく、クラブの外やダンスフロアで交わした会話は、とても親密で大切なものだったから。
ROMY:“Enjoy Your Life”はあなたの言う通りStardustの”Music Sounds Better With You”やMojoの”Lady”のようなフレンチハウスの感覚を入れたかったんです。
―我が家ではあなたの新曲が出るたびにパーティーを開いて、どんな曲がリファレンスになっているか聴き比べてました(笑)。
ROMY:クール! 私もそうやって楽しんでほしいの、そのとおりよ(笑)。
