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小説家・額賀澪がドラマ化された『転職の魔王様』の題材に転職を選んだ理由

2023.8.16

#BOOK

撮影:青地あい

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

7月19日は、現役大学院生の書評家、あわいゆきさんからの紹介で、小説家の額賀澪(ぬかが みお)さんが出演。2021年の作品『転職の魔王様』が成田凌さん主演でドラマ化され放送中の額賀さんに、『転職の魔王様』創作秘話や最近のオススメ本などを伺いました。

『転職の魔王様』がドラマ化された気持ち

タカノ(MC):額賀さん、昨日のあわいさんが、出版業界の裏事情に詳しく、とても怖いけど優しい先生と言ってたんですけど。

額賀:そう思われてたんですね(笑)。

タカノ:Twitterでやり取りありましたよね。訂正しましたよね(笑)。

額賀:「そう思ってたんだ」って言ったら、すぐ訂正してました(笑)。

タカノ:ちょっぴり怖いけどとても優しい先生に。

額賀:怖いは消さないんですよ(笑)。ちょっぴりにするんだな。

タカノ:あわいさんとの関係性も見えて面白かったんですけど。

Celeina(MC):軽くプロフィールを紹介させていただきますけども、1990年生まれ、2015年に『第22回松本清張賞』、そして『第16回小学館文庫小説賞』を受賞されています。そして現在は、大学などで講師もされているということで。

額賀:やっております。

タカノ:あわいさんと。

額賀:週1で顔を合わせて、今週、何読んだ? みたいな話をしたりしなかったり。

Celeina:へえ。そして額賀さん、2021年の作品『転職の魔王様』がドラマ化。まさに今週からフジテレビで放送がスタートしています。

タカノ:すごいですよ、これ。

額賀:はじまったばかりです。

タカノ:今、スマホで僕が撮った写真を見てもらったんですけれども、新宿のサブナードに『転職の魔王様』の駅貼り広告ドーン! でした。

額賀:私も今日、これを見てきました。

タカノ:すごいインパクトで。実は僕、昔キャリアコンサルタントみたいな仕事をしてまして。めちゃめちゃ共感の嵐なんですよ! あるあるなんですよ。広告業界も知ってるので、色々と何か……。

Celeina:タカノさんの経験ともマッチして。

タカノ:これ、ご自身の作品がドラマ化されるというのは、どういう気持ちになるんですか?

額賀:やっぱり放送まで何があるかわからないのが映像化だと思っていたので、無事に企画が通って、放送までたどり着いて良かったなと。

タカノ:そこら辺って、基本的にはおまかせみたいな感じなんですか?

額賀:私はそうですね。やりますと言われて、脚本もこうしてくれああしてくれもなく、おまかせしますということで。

Celeina:なるほど。原作とドラマ化した作品のすり合わせがどれぐらい行われてるのか気になっていたので、額賀さんの視点を聞けて嬉しいですね。あと、転職という題材がすごい面白いと思ったんですけど、額賀さんは書かれるときに題材から決めて書かれるんですか?

額賀:題材からが多いですね。転職の場合だったら、転職で何か書いてみようとなって、転職業界のいろんなことを調べて、これは小説になりそうだなという要素を膨らませて小説にすることが多いので。

タカノ:取材も結構される?

額賀:そうですね。題材からなので、どういう話にしようか決めてない状態で取材をして、この世界にはどんな面白いことがあるかな? みたいなところから入っていきます。今回の転職の場合だと、実際に転職活動をしていた人は、転職エージェントを使う側が何をやりたいかとか人生どうしたいかが見えてないと、全然うまくいかないそうで、それが結構、作品の肝だったんですよね。

タカノ:実際に転職エージェントの方にお話を聞いたり?

額賀:特に多かったのは転職エージェントで転職活動してた側の人の話で、やっぱりエージェントの存在を自分の中で整理しながら転職活動しないと、うまく使えないんだなというのがわかったんですよね。

最初は大学生の就活を扱うつもりだった『転職の魔王様』

Celeina:そもそも、この転職という題材を選んだきっかけは何かあったんですか?

額賀:担当編集が、転職を書きませんかって言ってきたんですよ。

Celeina:音楽だったらプロデューサー側から、こういう曲を書いてみたら、みたいな?

額賀:完全にそれです。

タカノ:額賀さんはそれで良いと?

額賀:そうですね。なんだったら、私が最初に自分から持っていったのは、大学生の就活だったんですよ。

Celeina:ほー。

額賀:就活どうですかって私が投げたら担当は、いや転職じゃないかなって言ってきて。

タカノ:そういう編集さんとのやり取りって結構あるんですか?

額賀:私はしますね。何やる? みたいなところからはじめて、例えば昨日見たドキュメンタリーでこういうのやってたんだけどみたいなレベルから叩き台になりそうなものを探していって。例えば転職だったら、転職が一番、光るものを感じたんですけど、これ取材して、もうちょっと掘り下げませんかっていう話をして、そこから実際に取材したり、いろいろ資料を読んだりっていう形ですね。

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