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一生懸命すぎて難しい、「セルフケア」に対する不器用な葛藤
─もともと音楽活動を始めたきっかけも、おーたけさんが音楽をやることによって喜んでくれる人の存在が大きかったと伺いました。他者の存在を感じることや、人の気持ちを思うことというのが、おーたけさんの活動の大きな核であるように思ったのですが、ご自身ではどう感じますか。
おーたけ:……そうですね、絶対に誰かの存在を感じているんです。自分一人の満足のために何かをすることが本当になくて。例えばディズニーランドくらいインパクトがある場所じゃないと、自分のために楽しむことができないみたいなんです。

─曲づくりの作業は孤独な部分もあると思いますが、「自分一人」という感覚や、「自分のため」という気持ちはあまりないですか?
おーたけ:人から言われたことや、されたことがあってのアウトプットなので、自分の感覚としては違うんですよね。いろんな人の声や反応を想像してしまうし、すごくたくさんのスタンドが背後に憑いてる感じ(笑)。それがずっと当たり前なんです。
─その状態ってつらくはないのかな、とお話を伺っていて思ってしまいました。
おーたけ:月に一回くらい爆泣きしたら終わります(笑)。それが無理している状態なのかどうかも、一生懸命すぎて、自分ではあんまりわかってないんですよね。よく言われる「セルフケア」という言葉もぴんときていなくて。周りの人の話を聞くと、みんないろんな方法で自分をケアしているんだなと思うけど、私は下手くそです、セルフケア。
─セルフケアができていない自覚を持っている人が多いからこそ、言葉や概念が広がりつつあるのかなとは思います。
おーたけ:そうですよね。でもセルフケアと並行して、タイムパフォーマンスなんて言葉も出てきたじゃないですか。一生懸命時間を繰り上げていろんなことを詰め込んで何もケアできてない! ケアする時間まで節約なんてめっちゃ矛盾してる! ってあざ笑いながら実は自分が一番無理しているっていう(苦笑)。


─「タイパ」的な世の中にしんどさを感じている人も多いからこそ、セルフケアが求められているのかもしれないですね。
おーたけ:周りの人からデジタルデトックスをしているという話を聞いたりすると、みんな色々な方法でセルフケアをしてるんだなと思うけど、私はライブをいっぱいやっている限り連絡はやまないし、一生できないなって。
─おーたけさんの「追われていたい」とか「一生懸命やらなきゃ」という感覚は、どこからきているんですか。
おーたけ:うーん……それもやっぱり人のため、かもしれないですね。すごく下世話な話をすると「ギャラのため」とも思うんですけど、そのギャラも、メンバーがラクしてくれんかな、と思っていたりするからで。でも今は、楽しく無理している感じですかね。
─楽しさはちゃんとあるんですね。
おーたけ:嫌な気の張り方をしなくなったんですよね。月に25本くらいライブを入れていた時期はパニックになりながらライブをしていたんですけど、その頃と比べると気持ちに余裕ができたんです。この人が喜んでくれたらいいなと思ってやったことで自分が満足できているので。だから「まあいいか」って思うし、“良かれ”ってそういう曲なんだと思います。相手はどう思ってるか知らんけど、自分がいいと思って、ちょっとした安らぎを得られているならもうそれでいいんだって……
なんか、自分って案外色々考えてるんだなぁ。考えてない風を装って生きる演技をしたりするんですけどね。
―“良かれ”はそういう葛藤が率直に表れている楽曲だと感じます。
おーたけ:ありがとうございます。でも、昔と比べたらだいぶ明るく、さっぱり生きれるようになってきました(笑)。

『OTOBACCO vol.3』
2023年7月20日(木)
会場:Shibuya eggman
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
料金:adv \2,800 / door \3,300(must buy 1Drink)
出演:CHiLi GiRL、ボタニカルな暮らし。、一寸先闇バンド
NiEW presents 『exPoP!!!!! vol.154』

2023年8月25日(金)
会場:Spotify O-nest
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
料金:入場無料 (must buy 2Drinks)
配信:https://www.youtube.com/@NiEWJP
出演:グソクムズ、ラッキーセベン、一寸先闇バンド and more!!!!!
■チケット予約フォーム
※ご予約の無い方は入場できない場合がございます
https://expop.jp/tickets/154