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30歳になったマカロニえんぴつ・はっとり。「自分がエキサイトできる表現をやりたい」

2023.7.12

#MOVIE

普段のライブとはまったく異なる演技の難しさ。「『俺こんなに声ちっちゃいんだ』と思いました」

ー実際の撮影を振り返っての感想を教えてください。

はっとり:やっぱり難しかったですね。最初に撮影した吉岡里帆さん演じる菜摘とのシーンはまだよかったんですよ。「吉岡里帆さんがいる」っていう緊張はあったんですけど、でも対人だから、その人に向けての声量で話せるし、会話という前提で演じられたんです。

『アイスクリームフィーバー』予告編。音楽は吉澤嘉代子が歌う主題歌“氷菓子”

はっとり:ただその次のシーンが、荷ほどきしながら電話をするシーンで、あれは独り言なんですよ。電話は実際には繋がってないから。相手がいない演技をいきなり素人がやるっていうハードルの高いシーンで……あれは難しいというか、照れがありましたね。観客側からは1人しかいない部屋に見えるけど、カメラ周りには何人もスタッフがいて、黙ってこっちを見てるわけですよ。あれがね、めちゃくちゃ恥ずかしかった(笑)。

ーライブ会場でたくさんの人を前にして歌うのとは全然違う?

はっとり:違いますね。ライブだったり、得意なことをやってるときの自分と、演技っていう、自信がないことをやってるときの自分は全然違いました。すごくちっぽけというか、そういう自分が恥ずかしくて、「俺こんなに声ちっちゃいんだ」と思いました(笑)。

ー普段あんなでかい声で歌ってるのに(笑)。

はっとり:どこから発声していいのかわからなくなっちゃって。でもマイクはやっぱりすごいですね。編集でガン突きしてくれたんだと思うんですけど、出来上がりを見たらちゃんと声が出てました。「これ拾えてるかな?」ってくらい、自分の中では全然声が出てなかったんですけど。

ー吉岡さんとのシーンはいかがでしたか?

はっとり:吉岡さんとは普通に会話をするシーンだったんですけど、普段の自分過ぎてもダメっていうか。ヘラヘラした感じの役ではなくて、ちょっと知的な風貌だし、おとなしい感じの役だったから、普段の自分の感じを出しすぎてもちょっと違うなと思って、言葉遣いを考えながら演技するのが大変でした。

ー普段の自分とはかけ離れた、強烈な個性がある役でもないし、だからといって素の自分そのままというわけでもないし、その塩梅が難しい役だったかもしれないですね。

はっとり:普通の人っちゃあ普通の人というか、とりえがないところが逆にポイントで、ちょっと地味めなんですよね。まあ、プライベートの自分も普通というか、すごい挙動不審だから(笑)、そのままでもいいっちゃいいんですけど……でも素っていうのが一番難しいのかもしれない。

奇天烈なほうが振り切れる可能性は高いですよね。一回こういうお仕事をやらせてもらうと、「今度はこういうのもやってみたいな」とかも出てきて、それこそもっと振り切った、キャラ的な役を演じるのも面白そうですよね。

ーいますでにやってみたい役はありますか?

はっとり:……ならずもの(笑)。すごくぼんやりしてるけど、めちゃくちゃな人をやりたいです。まあ、もしそういう機会があった場合でも、撮影のときあんまり人はいないでほしいですね。隠しカメラとか定点カメラで撮ってほしい(笑)。

ーそういうコンセプトの、ドキュメンタリーっぽい作風ならいいかもしれないけど(笑)。

はっとり:人に見られながらベッドシーンをやられる役者さんは本当にすごいなって……そういうふうに見ちゃうんですよね。「このシーンよくこんな自然にできるな」って。西田敏行さんの『釣りバカ日誌』とかを見てても思います。超自然だなって。

ー当然ですけど、プロの役者の方はすごいですよね。

はっとり:今回の仕上がりを見たら、自分が思ってたほどダメではなかったんですよ。目も当てられないぐらいのを想像してたんですけど、編集の妙もあり、映像の質感もすごくおしゃれに持っていかれてて、「大丈夫だ、見れる」って。『MG』で吉岡さんと対談をさせてもらったときも、「うちのマネージャーがはっとりさんの演技を絶賛していて、すごくいいって言ってました」って言っていただいて……「マネージャーかあ」ってなりましたけどね(笑)。

ーホントは吉岡さんご本人に褒められたかったと(笑)。

はっとり:でもすごく嬉しかったです。そういう風に言っていただける人が1人でもいるのは本当にありがたいですね。

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