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一人でも、道なき道を切り拓くJU!iE(じゅり)。中国からアメリカ、そして日本へ

2023.6.1

#MUSIC

渡米して失意の底に沈んでいたJU!iEを救った、ジェイコブ・コリアーの講義

─高校卒業後は、念願のバークリー音楽大学に入学したわけですね。学生生活は充実していましたか?

JU!iE:渡米した当初は英語も分からなかったから、授業を録音して家でそれを聴き直したりしていました。友達もいなかったし、みんな自分よりもはるかにレベルが高いように感じてしまって「音楽やめようかな」と思ったことも正直ありました。自分が何を求めているのか分からなくなるくらい苦しんだ時もありました。

JU!iE:そんな時にたまたま覗いたのが、ジェイコブ・コリアーの講義で、「せっかくだから」と思って見に行ったら圧倒されました。

─どんなところに圧倒されたのでしょうか。

JU!iE:あれだけの音楽的才能と演奏スキルを持っているのに、生徒との距離感が全くないんですよ。自分が持っているものを独り占めするのではなく、みんなでシェアしたいというマインド。音楽に対してどこまでもピュアでオープンな彼の姿を見ていたら、なんだか自分が恥ずかしくなってきて。自分をどう見せるか、これをやったらカッコよくて、これをやったらダサイとかそんなことばかり気にしていた自分に気づき、「今まで何をやってたんだろう」と。これからは自分もジェイコブのように、ピュアにシンプルに音楽をやっていこうと思い直すことができました。自分にとって、大きなターニングポイントとなりましたね。

ジェイコブ・コリアーが「ハーモニー」について解説している動画

─2018年に再び来日し、移住することになったのは?

JU!iE:バークリー音楽大学を卒業して、1年くらいニューヨークのレコーディングスタジオでアシスタントを経験しました。それから半年ほど中国に戻り、自分はこれから何をやりたいと思っているのかもう一度考え直したんです。すぐには答えを出すことができず、「もう少し勉強しよう」と思い大学院を受験することにしました。アメリカに戻るか、それともまた新しい環境に飛び込んでいくかで迷ったのですが、縁があり慶應大学の大学院でメディアデザインを専攻することになりました。

─新しい環境でチャレンジすることを選択したのですね。

JU!iE:幼少期からピアノを始め、10代の全てを音楽に費やしていたから全く違うことを学んでみたくなったんです。日本で学校に通いながら就活をすることも考えたのですが、そうすると音楽活動を両立させるのは難しいだろうと思い、モデル活動をしながら曲を書いたりライブを観に行ったりしていました。そのうちミュージシャンのお友達も増えていき、今の事務所と出会うことができたんです。

─初めて渡米した時と同じように、最初は日本語も話せなかったわけですよね?

JU!iE:「あいうえお」すら分からない状態でした。大学院の授業は全て英語だったので、やりやすかったけど日本語は独学で覚えるしかなかったですね。友達もいないし言葉も通じないっていう、またそこからのやり直し(笑)。大学1年の頃に戻ってしまったようで、最初の半年は寂しかったし孤独でしたね。

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