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【座談会】『べらぼう』『ばけばけ』『あんたが』ドラマライター3人はどう見た

2025.11.30

#MOVIE

色々な価値観の人が、しっかり対話をして先に進む誠実さ

本作は勝男や鮎美の世代だけでなく、彼らの親世代の葛藤も描く。(参考記事:人気ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が描く、誰もがハマるかもしれない落とし穴

明日菜子:あと、本作への反応として、鮎美という人間のダメさみたいなことを分析されている人が多い印象なのですが、私が思うに、あまりそこは根幹ではなくて。本作の何が恐ろしいかと言うと、今は理解していても、もしかしたら、いずれ自分も鮎美や勝男になるかもしれない。年齢を重ねたらとか、自分より立場が低い人が生まれたらとか、誰しもが陥る可能性がある現象を描いている。自己解放の物語でもあるし、内省の物語でもあるので、世間的な価値観を変えていくような作品になるんじゃないかと思いました。

古澤:明日菜子さんが仰るように、鮎美という人間を分析した感想が割と多い印象ですね。

明日菜子:そうなんですよ。でも、鮎美だから、女性側だからというだけでなく、やっぱり誰にでもそうなる可能性があると面白うんです。例えば、勝男と鮎美とは男女が逆でも、同性カップルでも。どんな性別でも、お互いにケアの精神を持っていこうねみたいな話だと思うので。

ちなみに、勝男が鮎美の新しい恋人のミナト(青木柚)に「鮎美の手料理、おいしく食べてあげてほしい」と言う第4話の一連の流れは、確かドラマオリジナルなんですよ。すごい原作の精神に通ずるセリフだなと驚きました。

古澤:原作にあるセリフかと思いましたよね。あと、1話のラストに、勝男が自分で作った筑前煮を食べることで、勝男が自分で自分をケアをしているのが際立っていて。男性が自分で自分をケアすることがしっかり描かれているのも良かったなと思いました。

—男性視点で言うと、最初の方は、勝男というキャラクターがあまりに典型的な九州男児みたいに描かれていてノれなかったんですが、勝男にとって初めての女友達として椿(中条あやみ)というキャラクターが出てきたところで、構図が進展していった感じを受けました。男性側のキャラクターも、勝男やミナトくんだけでなく、勝男の部下・白崎(前原瑞樹)とかがいたり、様々なパターンの人が出て来て、興味を持っていったのはそこら辺からでしたね。

古澤:確かに、色々な価値観の人がいながら、真正面からぶつかり合っている感じではなく、しっかり対話をして先に進もうとしている感じが、誠実というか理想的だなと思いますね。

—ありがとうございます。この後は『ちょっとだけエスパー』『ザ・ロイヤルファミリー』 『フェイクマミー』などのドラマについて伺っていこうと思うので、引き続きよろしくお願いします。

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