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【座談会】『べらぼう』『ばけばけ』『あんたが』ドラマライター3人はどう見た

2025.11.30

#MOVIE

世間的な価値観を変え得る『じゃあ、あんたが作ってみろよ』

ドラマライターが選ぶ2025年秋ドラマベスト5(2025年11月4日時点)
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—今回は、皆さんに今期のお気に入りドラマベスト5を出して頂きました。まず、藤原さんと明日菜子さんが1位に、古澤さんが2位に選んで頂いたのが『じゃあ、あんたが作ってみろよ』、通称『あんたが』でした。

ハイスペックな男性と結婚し安定した人生を送るために努力を惜しまず、“モテ”に全ベットし、理想の男性・海老原勝男との交際をスタートした山岸鮎美。勝男のために勝男の好きな料理を献身的にふるまってきた。一方、自分は完璧と信じて疑わない自信家の勝男は、鮎美に完璧なプロポーズをするが、返事は「無理」。2人は「料理を作る」というきっかけを通じ、“当たり前”と思っていたものを見つめ直し成長していく。夏帆、竹内涼真のW主演による大人気漫画のドラマ化。

藤原:最初は、勝男(竹内涼真)が自分と同じ大分県民ということで気になって見始めました。今は、勝男が古い価値観から抜け出せないことを正すのではなく、なぜそうなったのかの背景を踏まえて、行動を見守るドラマである点が、すごく面白いと思っています。あと、鮎美(夏帆)にとっても勝男にとっても、自己解放の物語、あるべき役割から解き放たれた先を見る話ですよね。その点で、少し鮎美にも共感しつつ、見ています。

古澤:「じゃあ、あんたが作ってみろよ」というタイトルの回収はドラマの1話で終わっていて、原作だと、そこから勝男がどう変化していくのかがしっかり描かれているんですけど、ドラマでは、鮎美の変化を時間をかけて描きたいのかなと感じています。展開を入れ換えたり、ドラマオリジナルの要素を入れたりすることによって、鮎美の方が勝男より変化に時間がかかっているように見せていますよね。これから、勝男と鮎美が互いに性別による役割を押しつけ合っていたことへの反省が見えていくことで、更に意義深いドラマになりそうですね。

あと、脚本がすごい上手だなと思っていて、原作には無い、勝男の価値観を膨らませるようなセリフやコメディシーン、映像だからこそ面白いシーンが追加されているので、ドラマ化されて良かったなと思いながら見ています。

明日菜子:私は原作をずっと読んでいまして、ドラマ化してほしいと色々なところで言っていて。私、勝男というのは、演じる俳優さんにとって、俳優人生が変わるくらいの運命的な役になると思ってたんですね。もしも自分が男性俳優のマネージャーだったら絶対に取りたい役だなって(笑)。

ただ、この勝男という役、めちゃくちゃ難しいんですよ。まず、やっぱり視聴者からの反感をすごく買いやすい役だし、なおかつ「でも、しょうがないなあ、頑張ってるから見てやるか」くらいの愛嬌がないと、勝男自体を好きになれないと、少なからぬ視聴者が作品を完走できないんですね。なので、非常に難しい役ですが、竹内涼真さんが本当に上手く演じてくださっている!

私の勝手な印象では、竹内さんはどの作品に対しても本気で、「本気」と書いて「マジ」の人なんです。本作の勝男も、並大抵の覚悟じゃ背負えない役ですよ。そんな色々な作品で培ってきた竹内さんの誠実さが、この勝男という役にすごく反映されている。かつての小言も、勝男が本気で鮎美のために良いと思っての発言だからこそ、視聴者は違和感を持つし、その後も、勝男が本気で反省しているからこそ、視聴者は応援したくなる。技術的な上手さはもちろん、画面の前にいる視聴者みんなのハートを鷲掴みにして、かっさらっていくような、ダイナミックなお芝居をされる方だなと、改めて今回思いました。

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