三谷幸喜による久々の連ドラ、野木亜紀子×大泉洋のドラマなど話題作が目白押しの2025年秋ドラマ。そんな今期のドラマについて、NiEWでレビューを掲載するライター陣に語って頂く座談会を開催しました。今回は藤原奈緒、明日菜子、古澤椋子の3名による、2025年秋ドラマ全体の感想と個人的ベスト5、大河ドラマ『べらぼう』と朝ドラ『ばけばけ』、そして、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の感想をお届けします。
※座談会は2025年11月4日(火)に開催されました。また、本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。
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ベテラン脚本家と新人脚本家がしのぎを削る2025年秋ドラマ
—2025年10月頃から放送しているドラマの中で、皆さんのお気に入りドラマの感想などについて伺っていきたいと思います。まずは秋ドラマ全体を見て、どんな点に注目されていますか?
藤原:幅が広いと感じています。心のベストを考えたら、10本くらいありました(笑)。ベテランの三谷幸喜さん、野木亜紀子さん、岡田惠和さんらの作家性はさすがだなと思いつつ、『フェイクマミー』や『ぼくたちん家』など、若手の脚本家さんのオリジナル作品もすごく面白くて。ほかにも突出した作品として『じゃあ、あんたが作ってみろよ』があり、スケールの大きい『ザ・ロイヤルファミリー』などもあるので、端から端まで見ていかないと間に合わないと思いながら見ています。
古澤:今期は、ゴールデン・プライム帯(19時~23時)にオリジナル脚本のドラマが多いと思いですよね。あとは、新人脚本家の起用が多く、先ほど藤原さんが挙げられた『フェイクマミー』や『ぼくたちん家』もそうですが、『絶対零度~情報犯罪緊急捜査』(フジテレビ系)も、近年の「フジテレビ ヤングシナリオ大賞」受賞者が2人(市東さやか、阿部凌大)、クレジットされています。『いつか、無重力の宙で』(NHK総合)も割と新人の方が担当されていたり、ドラマ業界全体で新人脚本家を育てていこうという熱を感じるクールになっていると感じます。
あとは、近年のドラマのトレンドになりつつある「大人が夢を追うドラマ」が今期も何本かありますね。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』に代表される「男女論」みたいなところを語ろうとするドラマもあるんですが、そこに更に「同性同士のケア」みたいなところにフォーカスが当たってる作品も多く、すごい充実したクールですね。
明日菜子:今期は、本当にベテランの方と新人の方が競い合っている状態ですよね。テレビ局各局でシナリオコンクールが盛んに開催されているんですが、それが実ったのが、今期なのではないかなと思います。あと、古澤さんも仰ったように、ジャンルとしては、同性同士、特に男性同士のケアの物語が多い。今年の1月期に放送された『晩餐ブルース』(テレ東系)というドラマが、若い男性達が晩御飯を一緒に食べる「晩活」を通して、男性同士のケアを描いていたのですが、かなり斬新に感じました。今期は、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』もそうだし、『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)も『ぼくたちん家』も、深夜ドラマだと『パパと親父のウチご飯』も、男性同士でケアをしてるんですよね。、やっぱり作り手の皆さんは、嗅覚がすごいんだなと思います。ここからまた、男性のケアが世間的にも注目されるんじゃないですかね。