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レディー・ガガ来日公演の祝祭性
—レディー・ガガのパフォーマンスも話題になりましたが、セメントさんは来日公演に行かれたんですよね。いかがでしたか?
セメント:はい。たしか東アジアでは日本だけの開催だったんですよね。だから、まずドームの前で待っていると、客層が国際的で、いろんな人がバーンと着飾って来ていて、その時点ですでに非日常的というか、自己表現を祝福しようみたいな雰囲気が感じられて、ポジティブな空間になっていたんですよね。ガガのファンダムが生み出す空間というのが、いい方向に作用していたというか。
公演の内容は、超デカい真っ赤な鳥籠みたいなのがいきなり出てくるんですよ。その中にダンサーがいて、ガガが「踊るか死ぬか」って言ったら、その中で人がめちゃくちゃ踊っていて、もう何なんだ……という感じで(笑)。そこからガガの精神世界の光と闇が戦う一大スペクタクルが起きるんです。新しいアルバム『Mayhem』を反映しているんですけど、「ガガの中の光と闇が対立して、善と悪の相克があって、それがぶつかって最終的に融合して高みに登っていく」みたいなテーマがあるんですね。ガガのヒット曲って、それぞれ別のテーマがあって、例えば「彼から離れられない」みたいな内容の“Million Reasons”という曲があるんですけど、それを「自分の闇からどうして離れられないのか」という意味に置き換えてあったりして、過去のヒット曲が今のテーマと矛盾がないように配置されてるんですよ。
ライブの最後にはピアノで弾き語りをするセクションがあって、そこで、(そこまでのショーを)ものすごい作り込んでいるけど「あくまでも私は人間なんですよ」っていうメッセージを最後に出して、アンコールではメイクを全部落として出てきて、人間ガガになって、みんなで舞台の上で踊って終わるっていう。流れがもう一分の隙もない感じで、しかもそれを3時間近く、ずっと踊って歌っている。ヒールが高い靴を履いてガンガン踊っていて、アスリートだなって思いましたね。
泡沫:前回の来日公演はさいたまスーパーアリーナでしたっけ。そのときも、お客さん(の装い)がすごいというのは話題になっていて、さいたまスーパーアリーナってけっこう駅前なので、ガガのファンの人に埼玉県民がびっくりしていたっていう(笑)。
セメント:ガガのライブは何を着てもOKという雰囲気がありますよね。ジェンダーノンコンフォーミングな表現をしている人も多くて、自分を堂々と表現したいという人が自由にやっていて、そういうのをこの規模で現出させられるって、ものすごいポップスターだなと思います。