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音楽は、歴史を知るきっかけになり得る
つやちゃん:ちょうどNENEのビーフ(※)もあったじゃないですか。あれは単なる音楽上の争いだけではなくて、ヒップホップの歴史やルーツをどう理解するかという問いを突きつけた部分が大きかったと思うんですよね。いま日本で広がっている排外主義とか、文化的な摩擦みたいなものも、歴史やルーツをどれだけ自分事として知ってるのか、学んでいるのかという点で、つながってるんじゃないかなと思っています。そういったルーツや背景をもう一回ちゃんとみんなで学んでいくことの重要性が——当然それはずっと大事なことではあるんですけど——いま、めちゃくちゃ高まってるし、自分もそういうことをちゃんと伝えていかなきゃなと思っています。
※ラッパーNENEが「Jポップシーンのヒップホップ」に対するディスソングを発表し、ちゃんみな、SKY-HIらを批判したことをきっかけに、双方のファンダムを巻き込んだ議論が白熱した。経緯と争点は以下の記事に詳しい。
つやちゃん. “【業界激震】ラッパーNENEからちゃんみな&SKY-HIへの宣戦布告「ビーフ」が「ヒップホップVS.ポップ」の代理戦争に発展”. マネー現代
つやちゃん:NENEのビーフについての解説記事を書いたんですけど、HANA / ちゃんみな側の人たちから「そんなこと(=ヒップホップの歴史的経緯)は全然知らなかった、教えてくれてありがとうございます!」みたいな反応がたくさんあって、驚いたんです。ヒップホップを聴く人の中では当たり前のことも、知られてないことがあるんだというのはあらためて思ったし、もっとヒップホップのことを知りたい、そこにどういうルーツがあって、どういうカルチャーとして始まったのかみたいなことを、純粋に知りたいし知れて良かったという人がたくさんいるんだなというのは、発見でしたね。その人たちは、NENEの一件があったからこそ知ることができたわけですよね。身近な音楽って、そういうきっかけを与えてくれる大事なものなんじゃないかなっていうのは、あらためてこの何ヶ月間思いましたね。