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Y2Kやミームカルチャーを取り入れたUKラップ
—ありがとうございます。ほかに、7月〜8月にリリースされた新譜から、みなさんのおすすめを1作ずつ紹介していただきたいです。
島岡:個人的に7月〜8月は良いリリースが多すぎて、1枚を選ぶのはすごく難しいんですけど、面白いなと思ったのはジム・レガシー(Jim Legxacy)っていうロンドン南部出身のラッパー / プロデューサーの、『black british music』というアルバムです。Fred again..の『Ten Days』への参加で有名な人ですね。
風間:全然知らなかったです。XLレコーディングスから(のリリース)なんですね。
島岡:はい。アルバムに“new david bowie”っていう曲があって、人の興味を惹く曲名じゃないですか。どういうことなんだろうと思って聴いてみたら、デヴィッド・ボウイが直接関係あるというよりも、自分のライフスタイルのこととか、「成り上がってきたんだぜ」みたいなことがリリックに書かれていて、センスがすごく面白いと思いました。彼は前のアルバムでもハンナ・モンタナを混ぜたりしていて、この曲ではジョン・ベリオンという人の“Wash”という曲をサンプリングしていて、今っぽい感覚で面白いなと思って聴いています。
つやちゃん:ジム・レガシーみたいな人がアメリカでこれからどう聴かれていくんだろうっていうのは、気になりますよね。
島岡:そうですね。最近のUKの若いアーティストは、アメリカのミームカルチャーとか、Y2Kみたいなポップカルチャーをすごく気さくに取り入れてる感じが見受けられるので、アメリカのリスナーがそれをどういう感じで聴くのかなというのは気になります。