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その選曲が、映画をつくる

音楽で読み解く『チャレンジャーズ』 『君の名前で僕を呼んで』のグァダニーノ監督作

2024.5.29

#MOVIE

群を抜いた音響映画の傑作

場面が変わり、試合開始とともに首を左右に振りラリーの行方を見守るオーディエンスの中で、ただ一人真正面のカメラを見つめるタシ。まるで、ヒッチコックの名作『見知らぬ乗客』で、犯人のブルーノがテニスの試合に目もくれずこちらを眺めているあの名場面を彷彿させるこのシーンが終わると、カメラが再び動きを早める。映画はにわかにカットバックとモンタージュの壮麗なスペクタクルへと移行し(画面分割を駆使して、タシの目線の先に闘技場の剣士のごときアートとパトリックの姿が収められるギミックの異様さを見よ!)、再び高まるエレクトロニックビートが、鋭い打球音との競演を繰り広げていく……。

この音楽 / 映画的なダイナミズムとカタルシスは、近年の作品の中でも明らかに群を抜いている。『チャレンジャーズ』は、音響映画の傑作を集めてトーナメントが開催されたとしたら見事に上位へと勝ち上がるであろう、圧倒的な「リズムの映画」だ。

『チャレンジャーズ』

2024年6月7日(金)より全国ロードショー
監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ゼンデイヤ、ジョシュ・オコナー、マイク・フェイスト
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
© 2024 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. All Rights Reserved.
https://wwws.warnerbros.co.jp/challengers/

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