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インドのレストランで考えたこと
小林:オカヤさんは、インドでいろいろ見てこれた? 私はほとんどカンファレンス会場のアライアンス大学とバンガロールのホテルの行き来だけで、マーケットも何も見れなくて。それはそれですごく楽しかったけど、リキシャ(三輪タクシー)とか乗ってみたかったな。

オカヤ:レストランにも行けてないって言ってたよね。
小林:そう、スケジュールがいっぱいだったのとバンガロールの渋滞がハードでなかなか外に出れなくって、ほとんどホテルか大学のビュッフェしか食べてない。でもぜんぜん飽きなくて、カレーはいくらでもいけると思ったよ。あと、肌の調子も良くなった感じがする。
オカヤ:血行が良くなったのかな? たしかにインドの人は肌がきれいに見えた。
小林:カレー、良さそうな気がする。毎日食べたいもん。帰国してすぐ南インド料理屋さんに行って、ビリヤニを食べたりもしたよ。
オカヤ:(小林さんと同じカンファレンスに参加していた)柚木麻子さんも、Instagramを見ていたら、帰国してすぐカレーを作って食べていたね。
小林:カレーって中毒性があるのかな、ずっと食べたい。今日もインドっぽいお料理でうれしい。誰かの家で、自家製のロティが出てくるのなんて、見たことないよ。そうそう、このロティをこねた「のし板」はインドで買ってきたんだよね。
オカヤ:そう。しかもけっこう序盤で買っちゃって、ずっと荷物が重かった。

小林:最後に立ち寄れたチェンナイでは、王宮南インド料理みたいな食事をいただいたんだけど、それがめちゃめちゃ美味しくて。ほうれん草のカレーに、きび砂糖と、ゴートチーズの味がするバターを混ぜて食べる、とか。ちょっとエル・ブリ(※)的な感じでさ。エル・ブリ食べたことないからイメージだけど。
※スペインにあった独創的なメニューで有名なレストラン。
オカヤ:おもしろい。ちょっと高いお店って、すごく店員さんが多くなかった?
小林:そうだったかも。
オカヤ:それで、みんな自分の役割しかしないんだよね。盛る人は盛る、片付ける人は片付けるだけ。だから、日本でインドの人を雇うと、コックの人はコックしかしないから、「ちょっとホール手伝って」みたいなことができなくて難しいんだって。それはカーストが根底にあるからだって本で読んで、なるほどと思ったんだよね。
小林:なるほどね。カーストは理解しがたいところがあるけれど、自分の役割だけをするってところだけ見ると興味深い。料理を作る職能と、お客さんと接する職能は、ぜんぜん違うもんね。日本だとマルチにできないといけないって、実は過剰な働きなのかも……。
オカヤ:そうだね。ゴアという街に行ったんだけど、観光地・リゾート地の、高級な化粧品店や洋品店が並んでいる前の道を工事しててさ。そのへんをボコボコに掘り返してて、積んである資材の間をみんな普通に歩いて通るんだよね。
小林:うん。
オカヤ:土管出てるけど大丈夫? って。お店もすました顔で営業してて、日本の感覚だとちょっと驚くんだけど、でもそれくらいでいいじゃんとも思ったな。