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いろいろなタクシー運転手に遭遇してきた
オカヤ:嫌なタクシーって、降りれますか?
鳥飼:いきなりタメ口みたいな運転手さんのときは降りますね。
オカヤ:そうかー。私、若い頃は特に「適応しなきゃ!」みたいに思ってたから、タクシーの運転手さんがすごいしゃべる人だと、合わせなきゃと思って、自慢話にも「すごいじゃないですか!」とか返してましたね……。
鳥飼:若いころに乗ったタクシーって、めっちゃ自慢話してきたけど、最近されないね。
オカヤ:されなくなった。あれは特に若い女子に対してだけ起こることだったんじゃないかと思う。すごい説教してくる人とかいたよね。
鳥飼:自作の曲のテープを聞かせてくる人とかいたよ。それを聞かせるために、ちょっと遠回りするからメーター切るね、って言われて(笑)。
オカヤ:やめてよ、降ろしてよ……。亡くなった奥さんのアルバムを見せてくる人とかいたなあ。10分くらいの乗車時間で、そんなの受け止めきれないよ、って(笑)。
鳥飼:変な人多かったですよね。
オカヤ:ちょっと面白がってもいましたけどね。前の仕事を辞めてから運転手になった人も多くて、前職の業界面白話を聞けたりもするから。元繊維関係だった人から「コーデュロイは太い方があったかいよ」と教わったことがある。
鳥飼:コーデュロイの幅? へえー、たしかにぜんぜん知らなかった! あ、この前「◯◯の角で停めてください、でも交差点は停めにくいと思うので、その辺りのどこでもいいです」みたいなことを言ったら、運転手さんが「そんなに丁寧に、こっちのことを考えてくれるような子をひさしぶりに見た、人の気持ちがわかる子だね」とか言って、果汁グミをくれたんですよ(笑)。
オカヤ:それはもう、概念としての「おじいちゃん」だ(笑)。おじさんを抜けるとそうなるのかも。
鳥飼:久しぶりに見たよ、果汁グミ。ぶどう味だよ(笑)。それはうれしかったです。見た目とかじゃなくて、振る舞いを褒められるのはうれしいし。
オカヤ:いい話だ。けど、他のお客さんはそんなにみんな横暴なのかな……とも思うよね。
