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漫才には主旋律がある
ー一緒に曲を作ってみて、ネタ作りとの共通点はありましたか? それとも全く別物でしたか?
トミサット:ネタ合わせしてるときに、相方の音がおかしいことがあるんですよ。今回歌の練習を一緒にさせてもらったときにも同じようなズレ方をしてたんで、共通するんだなと思いました。これ悪口ね。
大誠:うん、じっくり聞いてたけど、頭から最後まで俺の悪口だよな。

ーズレというのは、リズム的なことですか?
トミサット:長めのツッコミって、一番いいタイミングで入れないといけないから、その前にブレスしたり、1拍ズレちゃったりするとダメなんですよね。漫才には主旋律みたいなものがあって、そこからはみ出るときがあるんです。それって俺の個人的な違和感なのかなと思っていたんですけど、音楽に合わせるとやっぱりリズムがズレてるんだとわかりました。
大誠:漫才の主旋律?
トミサット:そう、漫才には主旋律があります。
大誠:ちょっと恥ずかしい! やめて!
トミサット:お前はドラムの役割だから。
大誠:俺は漫才のリズム隊なの!?
トミサット:そういった似ているところもあるけど、細かいところまで気遣わないといけないのは音楽の方だなと思います。
大誠:お笑いは「お笑いだから」で誤魔化せる部分もあるんですよね。音楽は、違和感があったら耳に入ってこないでしょうし。
トミサット:音楽には「絶対に外しちゃいけないところ」がある気がする。
橋本:ライブだとその場の雰囲気に合わせてやったりしますけど、基礎の部分に関しては、漫才よりもガッチリ固める部分が多いのかもしれないです。

トミサット:でも、歌の練習はめちゃくちゃ楽しかったんですよ。面白いネタができたときは2人でニヤニヤして、客前でやってみないとわからないって感じなんですけど、音楽は練習の時点で開放感がありますね。
大誠:「ラストに合わせましょう」って言ってから7回くらい歌ったもんな(笑)。
ーお笑いはお客さんのリアクションがあってはじめて成立するというか。
大誠:そうかもしれないです。うちはトミサットがネタを作ってるんですけど、面白いと思ってるネタでもウケなかったらボツにせざるをえないでしょうし。
トミサット:若手の漫才とか、技術的に全くお客さんに伝わってないことが多いんですけど、音楽は完成する前の時点でこんなに楽しいのかと。
大誠:橋本くんの曲がいいっていうのは大きいけどね。
橋本:(噛み締めるように)一緒に作った曲ですから。
大誠:10歳ぐらい離れているとは思えない落ち着きだよね。
トミサット:渡哲也さんみたいなトーンで言ったよ。