いいへんじの舞台『われわれなりのロマンティック』が8月29日(金)から9月7日(日)まで、東京・三鷹市芸術文化センター 星のホールで上演される。
三鷹市芸術文化センターによる『MITAKA “Next” Selection』の26回目に選出された、いいへんじ。2017年に旗揚げされた同劇団は、演劇作品の上演を通して、答えを出すことよりも、「わたしとあなたの間にある応え」に重きを置き、共に考えることを目指している。
『われわれなりのロマンティック』は、大学のフェミニズムサークルで出会った、クワロマンティックの茉莉と蒼の関係性を軸に、様々なパートナーシップのあり方に向き合う作品となっている。作 / 演出を務めるのは、いいへんじの主宰である中島梓織。出演者には、小澤南穂子(いいへんじ)、小見朋生(譜面絵画)、川村瑞樹(果てとチーク)、藤家矢麻刀、百瀬葉、冨岡英香(もちもち / マチルダアパルトマン)、谷川清夏、奥山樹生、飯尾朋花(いいへんじ)が名を連ねている。
クワロマンティックとは、自分が他者に抱く好意が恋愛感情か友情か判断できない/しない恋愛的指向(romantic orientation)のことです。
思えば、これまでずっと、誰かに対する強い想いを「好き」という言葉で解釈するまでに、高いハードルを越えなければならない感覚がありました。
めっちゃ好きではある。でも、「好き」という言葉にすると、当然のように「性的欲求を伴う恋愛感情」と捉えられてしまう。いやいやそうじゃない、それだけでは捉えきれない感情があるんだよ、という強い違和感を抱く。
でも、「好き」という言葉にしないと、相手にも周りにも共通言語として伝わらない。友人たちには、ただの言い訳だと捉えられたこともあります。
だから、暫定的に「好き」という言葉を使っていました。ほんとうは、「恋人」や「友人」というラベリングをせずに、親密な関係を構築できたらどれだけいいだろうと思っていました。わたしが大切な人のそれぞれに対して抱く感情は、いわゆる「恋愛感情」と「友情」のグラデーションの中にあり、築いていきたいのは、ひとりひとりとの固有の関係だからです。
だから、クワロマンティックという言葉と出会ったとき、この感覚に「名前」があったことに、判断しないという選択肢があったことに、救われた気持ちになりました。とはいえ、相手に合意と確認を取るための、第三者に説明や証明をするための、関係性の「名前」がないことは、それなりに不安なままです。
「名前」は、ときに救いとなり、ときに呪いとなる。これまでのいいへんじの作品でも何度も取り扱ってきた、終わりのないテーマです。けれどもやっぱり、社会で当たり前とされている恋愛・結婚・家族に当てはめられてしまうのは、どうしても納得いかないのです。「家族の一体感」?なんじゃそりゃ!です。
そこからいかにへらへらと逸脱していくかを企みたいし、恋愛至上主義・異性愛主義・家父長制に、わたしなりのやり方で抵抗していきたいと思っています。いつものことながら、わたしの極めて個人的な感覚から出発した物語なのですが、これを演劇という形で社会に開いていきたいのは、稽古場で、劇場で、みなさんとおしゃべりがしたいからです。それぞれの「われわれなり」を共有し肯定し合える世界を、たとえ小さなところからでも、つくっていきたいからです。
いいへんじ 主宰
シンプルに名前をつける代わりに、問いに向き合い対話を繰り返すことは、苦しいことでもあるけれど、幸せなことでもあると、わたしは信じています。
中島梓織

いいへんじ『われわれなりのロマンティック』

あらすじ
大学のフェミニズムサークルで出会った、クワロマンティック*の茉莉と蒼は、恋人とも友人とも名付け難い、親密な関係を築く。 卒業後、編集者となった茉莉は、パートナーシップをテーマにしたインタビューを企画し、周囲の人々の悩みに向き合う。一方で、自分たちの関係については、いつのまにか言葉を尽くさなくなっていた。 やがて、二人の「好き」の形は、ある出会いをきっかけに、少しずつ問い直されていくことになる。
*自分が他者に抱く好意が恋愛感情か友情か判断できない/しないこと。
キャスト
小澤南穂子(いいへんじ) 小見朋生(譜面絵画)
川村瑞樹(果てとチーク) 藤家矢麻刀 百瀬葉 冨岡英香(もちもち/マチルダアパルトマン) 谷川清夏 奥山樹生
飯尾朋花(いいへんじ)
スタッフ
作・演出:中島梓織
音楽:野木青依 美術:伊従珠乃 照明:中村仁(黒猿) 音響:大嵜逸生 衣裳:カワグチコウ
演出助手:坂本沙季(明日は、寝たくない) 舞台監督:石橋侑紀
当日運営:宮野風紗音(かるがも団地) 制作:田中遥/石本秀一
ジェンダー・セクシュアリティ監修:中村香住
宣伝美術:たかはしともや 宣伝写真:宮本七生 宣伝衣裳:カワグチコウ
日程
2025 年 8 月 29 日(金)~9 月 7 日(日)
受付開始:開演 45 分前 開場:開演 30 分前 上演時間:115 分(予定)
8 月 29 日(金) 19:30☆
30 日(土) 14:00【託児】★ 18:00【託児】★
31 日(日) 14:00★
9 月 1 日(月) 休演日
2 日(火) 19:30
3 日(水) 14:00▽ 19:30▽
4 日(木) 14:00
5 日(金) 19:30
6 日(土) 14:00 18:00
7 日(日) 14:00
▽…収録あり
チケット【全席自由席・日時指定・整理番号付き】
前売:一般 3,000 円/財団友の会会員 2,700 円
当日:一般 3,500 円/財団友の会 3,200 円
☆初日割(財団友の会会員・一般のみ 500 円引き)
前売:一般 2,500 円/財団友の会会員 2,200 円
当日:一般 3,000 円/財団友の会会員 2,700 円
★早期観劇割引(財団友の会会員・一般のみ 300 円引き)
前売:一般 2,700 円/財団友の会会員 2,400 円
当日:一般 3,200 円/財団友の会会員 2,900 円
学生・高校生以下は全公演一律
学生:前売・当日とも 2,000 円(当日要証明書提示)
高校生以下:前売・当日とも 1,000 円(当日要証明書提示)
チケット取扱い
三鷹市芸術文化センター
電話予約:0422-47-5122(電話 10:00~19:00 / 月曜休館)
インターネット予約 https://mitaka-art.jp/ticket/ (要無料会員登録・24 時間受付)
チケットぴあ https://t.pia.jp/(P コード 534-376)
イープラス https://eplus.jp/
ローソンチケット https://l-tike.com/(L コード 33079)
演劇最強論-ing https://www.engekisaikyoron.net/
※各プレイガイドともオンライン発売のみ。
Corich!チケット(当日精算) https://ticket.corich.jp/apply/374612/
発売日
●発売日(一般発売):7 月 25 日(金)10:00~
※財団友の会は 7 月24日(木)10:00~先行発売あり。
鑑賞サポートのご案内
託児サービスのご案内
対象公演:8/30(土)14:00/18:00
対象年齢:公演当日に1歳~未就学
料金:500 円
定員:各回 10 人
申込方法:8/16(土)までに、株式会社明日香まで、お電話(0120-165-115)、
または https://ws.formzu.net/sfgen/S82687400/よりお申込み。
ほか各種鑑賞サポート実施予定。詳細は後日 HP にてお知らせいたします。
会場
三鷹市芸術文化センター 星のホール
〒181-0012 東京都三鷹市上連雀 6-12-14
JR 三鷹駅南口2番バスのりばから3つ目「八幡前・芸術文化センター前」下車すぐ。
または5・6・7番のりばから「八幡前」下車 1 分
または徒歩約 15 分
助成
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]
公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団
企画・製作
いいへんじ/株式会社イマジリック
主催
公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団/いいへんじ