2025年3月公開の映画『レイブンズ』(原題:RAVENS)の新たな出演者が発表。スチールも解禁された。
フランス、日本、スペイン、ベルギーの合作映画となっている同作は、写真家・深瀬昌久の78年にわたる波乱万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いた「ダークでシュールなラブストーリー」。深瀬は妻・洋子やカラス(英:Ravens)を被写体にした作品など、自身の私生活を深く見つめる視点の作品を多く遺し、2023年には東京都写真美術館で企画展が開催されるなど、再評価の機運が高まっている。
監督と脚本を務めたのは『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』でも知られ、写真家 / ミュージシャン / グラフィックデザイナーとしてのキャリアも持つマーク・ギル。深瀬役は浅野忠信、深瀬の妻・洋子役は瀧内公美が演じることが明らかになっていた。
10月9日(水)に解禁された新たなキャストは、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀の3名。北海道で老舗写真館を経営する深瀬の父・助造を古舘寛治、深瀬昌久の助手・正田を池松壮亮、深瀬昌久の行きつけの新宿ゴールデン街のバー「南海(なみ)」の店主を高岡早紀が演じる。情報解禁に際し、3人とマーク・ギルからのコメントも公開された。
●マーク・ギル監督
古舘寛治について:イギリスで公開された彼の作品はたくさん見ています。彼が助造の役を引き受けてくれたときはとても嬉しかった。寛治は深瀬の父親像に真に迫る迫力を与えてくれました。他のキャストと同様に私の脚本を彼自身のものにしてくれました。私は俳優たちがそのように脚本を自分のものにしてくれるのがとても嬉しいのです。池松壮亮について:欧米の多くの観客と同様に池松さんを初めて観たのは『ラスト・サムライ』でした。彼は小さいころから偉大な俳優になると誰もがわかっていました。池松さんは正田というキャラクターに温かさを与えてくれた。それは深瀬がたびたび陥る負の状態を際立たせたのです。
高岡早紀について:実際の南海さんはエレガントでとても格好いい女性です。なので、高岡さんは完璧な選択でした。また、私は映画に登場するすべての女性キャラクターに深瀬を畏れ敬って欲しくなかった。高岡さんは持ち前の知性でそこのところを上手に表現したと思います。
●古舘寛治
いつも同じことを言ってるが、自分が参加した作品を客観的に観ることは難しい。しかし『レイブンズ』はとても楽しく観ることができた。
外国の監督が日本で日本人の映画を撮るのはとても難しいに違いない。自分の理解しない言語だけでなく、知らない慣習や文化まで撮る必要があるからだ。しかし『レイブンズ』は日本人監督にはないセンスをしっかりと作品から醸しながらも、ちゃんと日本人を描いていた。
破滅的芸術家、深瀬昌久を余計なものを足すことも引くこともなく描きながら、ただの伝記に終わらずに、ギル監督がなぜ彼を映画にしたかったのかが最後にしっかり伝わってきた。いい映画です。ぜひご覧ください。●池松壮亮
『レイブンズ』という素晴らしい作品に参加できたこと、とても光栄に思っています。
深瀬昌久さんの人生と死生観を、静かに見つめるマーク・ギル監督の知性と勇気に感銘を受けました。その瞳を通した美や精神性は、静謐でクールでとても深い余韻をくれました。
深瀬さんの隣で長年を過ごした相棒のような役を演じさせて頂きました。
浅野さんとの共演はとても瞬発的で感覚的で愉快なものでした。
浅野さんと深瀬さんの時代を越えた奇跡の邂逅を特等席で見せてもらえて、とても幸せな時間でした。●高岡早紀
浅野さんとは30数年ぶりの共演なので、再会はとても感慨深いものがありました。海外の監督が、⽇本⼈のカメラマンの⽣涯を描いている作品なので、客観的な感覚が、この作品を更に興味深いものにしてくれているのではと思います。