ロシアによるウクライナ侵攻開始から壊滅したマリウポリを脱出するまでの20日間を記録したドキュメンタリー『マリウポリの20日間』が、4月26日(金)から劇場公開されている。
2022年2月、ロシアがウクライナ東部マリウポリに侵攻開始。同作は、戦火に晒された人々の惨状をAP通信取材班が命がけで撮影を敢行、決死の脱出劇の末に世界へと発信された奇跡の記録映像をもとに制作されたもの。監督を務めたのはウクライナ東部出身のミスティスラフ・チェルノフ。AP通信社のビデオジャーナリストで、ウクライナ職業写真家協会の会長でもある彼は、2014年にAP通信に入社して以来、欧州やアジア、中東の主要な紛争、社会問題、環境危機を多数取材している。
3月に行われた『第96回アカデミー賞』では、長編ドキュメンタリー賞を受賞。チェルノフ監督は受賞スピーチで、「この作品はウクライナ映画史上初めてアカデミー賞を受賞した。しかし、おそらく私はこの壇上で、この映画が作られなければ良かった、などと言う最初の監督になるだろう」と述べた。
今回、チェルノフ監督から劇場公開に寄せたステートメントが到着。静けさの中に強い怒りを滲ませた、5800字超の文章による戦場の惨状の告白となっている。