3月29日(金)より日本公開される映画『オッペンハイマー』(原題:Oppenheimer)が、全国のIMAX劇場50館で同時公開されることが決定した。合わせてIMAXカメラで撮影するメイキングカットが公開された。
同作は、第二次世界大戦下、原子爆弾を開発したアメリカの物理学者天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづき描いた物語。監督 / 脚本はクリストファー・ノーラン。キリアン・マーフィーが主演を務めたほか、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピューらが出演している。『第81回ゴールデングローブ賞』では最多となる5部門を受賞し、3月に結果が発表される『第96回アカデミー賞』では作品賞、監督賞をはじめ最多13部門にノミネートされている。
公開されたメイキングカットは、ノーラン監督の指揮の下、撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマがIMAXカメラで撮影する様子。『第96回アカデミー賞』で撮影賞にもノミネートされているホイテマは、ノーランと『インターステラー』以降すべての長編作品で組んでいる。『オッペンハイマー』では、IMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。同作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現させた。

ノーランは、オッペンハイマーの視点から語られるシーンを、映画の脚本としては異色の一人称で書き、カラー映像で表現。彼の内面を象徴的に表わす、感情を揺さぶる抽象的なイメージとモンタージュされている。また、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きな影響力を持っていたルイス・ストローズを中心とする場面はモノクロ映像と、視覚的な描き分けがされている。この撮影スタイルを選んだ理由について、ノーランのコメントも公開された。
私とホイテが採⽤した撮影スタイルは、⾮常にシンプルだが、⼒強いものだ。映画の世界と観客との間にいかなる障害もないこと、モノクロ映像以外、様式化されたところのない映像だった。特にカラー映像の場⾯は飾り気がなく、シンプルな映像を望んだ。できるだけ⾃然で、世界の肌触りを伝えてくれるようなものだ。⾐装であろうと、セットであろうとロケであろうと、現実世界の複雑な細部を追い求めた。
クリストファー・ノーラン監督
なお、2月16日(金)よりムビチケ前売券が発売されることも決定。公開前日までの販売で、カードタイプは在庫なくなり次第販売終了となる。
『オッペンハイマー』(原題:Oppenheimer)

監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス、チャールズ・ローヴェン
出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー
原作:カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン 「オッペンハイマー」(2006年ピュリッツァー賞受賞/ハヤカワ文庫)
2023年/アメリカ 配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画 R15
© Universal Pictures. All Rights Reserved.
公式サイト:oppenheimermovie.jp
<ストーリー>
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・オッペンハイマ ーは優秀な科学者たちと共に世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペ ンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。
<受賞・ノミネート>
・『第81回ゴールデングローブ賞』(受賞)
作品賞<ドラマ部門>、監督賞、主演男優賞<ドラマ部門>、助演男優賞、作曲賞
・『第96回アカデミー賞』(ノミネート)
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞、音響賞