12月22日(金)から公開されている映画『PERFECT DAYS』が、『第96回アカデミー賞国際長編映画賞』のショートリストに選出された。
同作は渋谷区の公共トイレをリノベーションするプロジェクト『THE TOKYO TOILET』から生まれた長編映画。渋谷で働くトイレ清掃員・平山が日々を淡々と生きる中で起きた思いがけない出来事が、彼の過去を小さく揺らす内容となっている。平山役は役所広司が務め、『第76回カンヌ国際映画祭』で主演男優賞を受賞。監督 / 脚本は『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』などを手がけたヴィム・ヴェンダース、共同脚本とプロデュースをクリエイティブディレクターの高崎卓馬が担った。
国際長編映画賞には世界から88作品がエントリーされており、そこから15作品に絞り込まれたショートリストが今回発表されたもの。このほか日本からは久石譲が音楽を手がけた『君たちはどう生きるか』が作曲賞、『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞のショートリストに選出されている。ノミネート作品は1月23日(火)に発表され、受賞作品は3月10日(日)に発表となる。
また、同作を先行鑑賞した福山雅治、宮沢りえ、川上未映子、小島秀夫、松田翔太、吉沢亮より、感想と応援コメントが到着した。
当たり前だと思って見過ごしていたものを大切にするプロジェクトから生まれた映画。
福山雅治(シンガーソングライター・俳優)
いま作ろうと思ってもなかなか作れない「奇跡の映画」です。詩的で、ずっと一枚の絵画を見ているようでした。
平山さんの目に映る、木漏れ日の光と影の美しさに心を奪われたままです。きっと、これからも、ずっと。
宮沢りえ(女優)
イノセンスと、老いていずれ死にゆく肉体を生きていくこと。
川上未映子(作家)
それが、今、すべての人に、べつべつに起きていて、
誰もが一度きりの今を生きているということ。
私はこれからも、ラストシーンを観たときのあの感覚を、
何度でも思いだすと思います。
あのヴェンダースが、“パリ”でも“テキサス”でも“ベルリン”でもない21世紀の“東京”をどう切り取るのか。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
最新作であり、令和の“東京画”ともいえる本作は、日本人以上に”日本人の姿”と”和”を捉えていた。
公衆トイレを美しく整える男の佇まいには孤独やネガティブな感覚は皆無だ。
その姿は、自らのリズムを見失ってしまった令和の日本人の胸を強く打つ。
すぐに人と話したくなった、
松田翔太(俳優)
少し寂しいからなのか、
嬉しいからなのか。
だけど言葉にするのが恥ずかしくなって、
僕はこの映画のことを人に話したくなくなっていた。
この気持ちを心に留めておくことにした。
ありがとうございました。
一見なんの変わり映えのない日常の中に溢れている、小さな幸せや感情の機微。
吉沢亮(俳優)
ヴィム・ヴェンダース監督の徹底的にリアルを追求した作りと、役所さんの語らずともとても豊かで深い表現によって、この物語をより生々しく、愛おしく感じられました。
東京の公衆トイレってこんなオシャレなんだ。とか、こんなに美しい景色があるんだ。とか、僕の知らない東京がありました。
映画の公開に合わせ、劇場で販売されるパンフレットの詳細も解禁された。写真家の森山大道が役所広司を、操上和美がヴェンダースを撮影しており、川上未映子と柳井康治の特別対談、田中泯の直筆コラムなど、同作への理解が広がる内容となっている。
映画公式ホームページでは、ウェブ限定の書き下ろし小説『Days of HIRAYAMA』も公開された。東京・渋谷の清掃員である主人公「平山」の、映画にならなかった日々のルーティンが淡々と描かれ、 映画を観る前でも後でも楽しむことができる。
『PERFECT DAYS』
2023年12月22日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬
出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和
配給:ビターズ・エンド
©︎ 2023 MASTER MIND Ltd.
https://www.perfectdays-movie.jp