メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ガイ・リッチーの快進撃が止まらない。最新作『アンジェントルメン』レビュー

2025.4.3

#MOVIE

リッチー組常連の個性的な俳優陣にも注目

メインキャストにも少し触れておこう。主人公ガスにふんしたヘンリー・カヴィルは『コードネーム U.N.C.L.E.』に続いてのリッチー作品への主演だが、前回のプレイボーイ的キャラに比べると、こちらは粗野なヒゲ面。クレジットを知らずに見れば、こちらもカヴィルだとは気づかないかもしれないが、まったく違う役になり切っているという点では役者としての凄みを感じさせずにおかない。

主人公ガスを演じたヘンリー・カヴィル © 2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

敵役であるナチスのルアー大佐に扮したティル・シュヴァイガーは『イングロリアス・バスターズ』でナチスの兵士を演じて以来、同じような役は避けてきたが、ガイ・リッチーの映画ならと出演を快諾。「ナチスよりも邪悪な男」と呼ばれるルアーの冷血動物のようなキャラの怪演は、これまた凄まじい。この他、フレディ役に『ジェントルメン』のヘンリー・ゴールディング、M役に『オペレーション・フォーチュン』のケイリー・エルウィスと、リッチー組が再登場。妖艶なマージョリー役のエイザ・ゴンザレスはカヴィルとともに、リッチーの次作『In The Grey(原題)』にも出演するという。主要スタッフもリッチー作品の常連で固められているが、このようなファミリー的な製作スタイルが、リッチーの最近のフットワークの軽さの要因となっているのかもしれない。

ガイ・リッチー監督(中央)とキャストたち © 2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

イギリスからアフリカ中西部を目指すガスのチームの航海は、敵艦や英国艦との遭遇など、何度もトラブルに見舞われる。そればかりか到着後にミッションに取りかかろうとするや、不測の事態により計画の急変更を余儀なくされる。まさしく、危機また危機の連続。それでも彼らは打開策を模索し、時には幸運に助けられながら任務遂行に驀進する。どうなるかは観てのお楽しみだが、アウトローにはアウトローの意地がある。スリルはもちろん、ユーモアも含めて、リッチーらしい快作であることは断言しておきたい。

『アンジェントルメン』

2025年4月4日(金)全国ロードショー
監督:ガイ・リッチー
出演:ヘンリー・カヴィル、エイザ・ゴンザレス、アラン・リッチソン、アレックス・ペティファー、ヒーロー・ファインズ・ティフィン、バブス・オルサンモクン、ティル・シュヴァイガーほか
配給:KADOKAWA
https://ungentlemen-movie.com

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS