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TESTSETの4人が集った数奇な運命。LEO今井&永井聖一の2010年代の活動を振り返る

2024.11.13

TESTSET『EP2 TSTST』

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個人的な内省が、世界の終わりとつながる——TESTSETに合流した永井聖一のカラー

ー新作の前に1stアルバムのことを改めてお聞きしたいんですが、あの作品には、現実と非現実の境界が曖昧になることで混迷の度合いを深める現代社会へ目線が含まれていますよね。<Feel like dystopia No more escape>と歌われる永井さん作詞の“Stranger”からもそんなムードを感じたのですが、あの曲の歌詞はどのようなモチーフから書かれたものだったのでしょうか?

永井:僕は渋谷に実家があったんですけど、あの曲の歌詞は実家に帰れなくなってしまった自分の実体験がもとになっています。駅が変わりすぎて、いつもの西口に出られない。スルッと帰れていたのにいきなり帰れなくなったんです。

いまは半蔵門線から地上に出るエスカレーターもいつも長蛇の列だし、新しくしたはずなのに、なんでこんな不便になったんだろうっていう。渋谷の街並みを支配している空気も、人の種類も、全部僕が知っているものとは違うものになっていて、そういう意味での「Stranger」です。とてもディストピアを感じてはいます。

TESTSET『1STST』収録曲

ーもちろんコロナ禍もあったし、やはり1stアルバムには「これからこの社会はどこに行ってしまうのだろう?」というムードがあったように思います。

永井:LEOくんもそういうメタファーが得意というか、それはソロのときからそうだと思うんです。ストレートにパンキッシュなわけでもなく、褒めているように見せてめちゃめちゃディスってたり、皮肉が効いてるというかね。TESTSETは四人ともそういう人だと思います。特にまりんさんに一番毒があるかもしれない(笑)。

ー“Stranger”にしても、もともとの着想は個人的な体験ではあるけれど、結果的に社会のムードや時代性を表しているなと。

永井:僕自身、パーソナルで、ナイーブなことをわりと歌詞にするかもしれない。自分の個人的な内省や小さな悩みを、世界の終わりや全人類的な危機とつなげて捉える、みたいなコンセプトがすごく好きなんですよね。

今回の“Yume No Ato”も内容的にはとてもパーソナルな曲だけど、ここ数年で何かを失った人はたくさんいると思うので、そういう人たちの思いと重なる部分もあるかなと思います。“Stranger”もそうで、別に渋谷に住んでなくても、都市に住んでなくても、右も左もわからないような状況はいろんな人にあると思うし。

―『EP2 TSTST』に収録された4曲はどのように選ばれたのでしょうか?

LEO:2ndアルバムに向けての初期段階のセッションというか。完全に新しく作ったものもあれば、1stアルバムの前からあった未完成のデモを形にしたものもあります。

音楽のスタイル的には4曲ともかなりバラけてるんですけど、でもどれもTESTSETの、この四人の魂がこもっている感じがする。それはこの1年、コンスタントにライブをやってきたことがいい形で反映されているんじゃないかなと。あとはEPだからこそ、ちょっと実験をしたり、別の側面を見せる狙いもあったと思います。

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