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「健やかに」誰かと何かをして楽しむことが、ニヒリズムへの抵抗
―もちろんひとりでも多くの人に届くことが理想だと思うんですけど、この先どんな人が、少年キッズボウイの音楽に出合ってくれると嬉しいですか?
山岸:僕みたいな人ですね(笑)。僕は自分が普通の人間だという自覚があるんですけど、そういう人間でも、こうしてバンドをやりながら素敵な時間を過ごすことができるっていうことは伝えたいです。僕みたいに楽しい景色を遠くで眺めてきた人っていっぱいいると思う。「いいなあ」と思いながら、どこか俯瞰して見ちゃっている人たち。そういう人たちに届いてほしいし、今もそういう人たちが少年キッズボウイを聴いてくれているんじゃないかとも思うんですよね。
アキラ:私は、音楽は生活に直結する特効薬だと思うので。そういうものを求めている人たちと少年キッズボウイは親和性が高いんじゃないかと思います。音楽が好きな人たちともっと仲良くなりたいです。
こーしくん:僕は、悲しい気分の人が少年キッズボウイを見つけてくれて、ちょっと上を向いてくれたら嬉しいなと思います。昔、私立恵比寿中学の“ハイタテキ”という曲のミュージックビデオを夜中のテレビで見て、号泣したことがあるんです。「こんな幼子たちが本気で歌って踊っている……!」って。同じ気持ちになってほしい。
アキラ:私たちは幼子じゃないけど(笑)。
こーしくん:「おじさんたちが頑張って歌って踊っている!」って(笑)。「なんだこれは。俺も頑張ろう!」って思ってほしい。「頑張ろう」とも思わないでいいですけど「ちょっとスッキリしたな」くらい思ってくれたらいいなと思います。
―“キスをしようよ”で少年キッズボウイはメジャーデビューするわけですけど、メジャーデビューについてはどんな思いがありますか?
山岸:メジャーデビューが決まった時は何かが変わる実感はなくて、「これでまだバンドを続けられるな」と思っただけでした。でも発表したら、たくさんの反響があったし、いろいろな人が喜んでくれて。その時ようやく「これは凄い場所にいるぞ」と実感しました。
ずっと「続けること」が目標だったし、「続けるためなら、売れたいな」くらいに思っていたんですけど、もう、そういうことでもないなと。これだけたくさんの人が応援してくれているんだと思うと、もう自分だけのものじゃなくなった感じがします。大袈裟に言うと、「人の為に生きるのも悪くないかもしれない」と思いました。しかも、それをマイナスなことではなく、プラスなことだと思えたのが嬉しかった。
-今日の取材を通して、山岸さんは「誰かと一緒に何かをすること」にとても大切なものを見出しているんだなと思いました。そこはやはり大事なことですか?
山岸:シンプルに、楽しい人たちを見ていると楽しいじゃないですか(笑)。そういうことが、この世の中にもっとたくさんあったらいいのにと思うんです。さっきの冷笑的なムードの話もそうですけど、ニヒリズムに抵抗する手段って、誰かと何かをして楽しむこと、かつ、それを健やかにやることだと思う。辛いのも、暗いのも、もうみんな知っているから。「それなら楽しもうよ!」って感じです。
アキラ:「健やか」っていう言葉に、思いが出ている気がする。
山岸:そうだね。音楽リスナーとして、破滅的な人生に憧れる気持ちってあるじゃないですか。でも、働きながら休日に友達とバンドを楽しくやるって、破滅的な人生を生きることと同じくらい凄いことだと僕は思っていて。僕はこのバンドで、その先を見てみたいと思っています。

少年キッズボウイ“キスをしようよ”

配信日:2025年5月21日(水)
配信リンク:https://lnk.to/kisswoshiyouyo
NiEW presents 『exPoP!!!!! vol.176』

@NiEW presents 『exPoP!!!!! vol.176』
2025年8月29日(金)
Spotify O-nest
OPEN 18:30 / START 19:00
入場無料 (must buy 2Drinks)
🎥無料生配信有
出演:少年キッズボウイ、Trooper Salute、ゴリラ祭ーズ、and more!!!!!
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※ご予約の無い方は入場できない場合がございます
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