メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

社会派エンタメドラマ『日本一の最低男』で香取慎吾が「日本一の最低男」を演じる意味

2025.2.13

#MOVIE

©フジテレビ
©フジテレビ

ギャラクシー賞ドラマ『フェンス』プロデューサーの最新作

シングルファザーで保育士として働き、2人の子どもを育てている正助(志尊淳)©フジテレビ
シングルファザーで保育士として働き、2人の子どもを育てている正助(志尊淳)©フジテレビ

本作を語る上で重要なのは、そのスタッフ陣の異色さだろう。企画プロデュースは、今回初めてフジテレビの連続ドラマを手掛ける北野拓。北野はNHKの記者出身で、NHK宮崎放送局で『宮崎のふたり』(2016年)を演出。その後は『フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話』(2018年)、『タリオ 復讐代行の2人』(2020年)、『あなたのそばで明日が笑う』(2021年)をプロデュースし、フリー転身後は連続ドラマW『フェンス』(2023年)を手がけた。『フェンス』ではギャラクシー賞など数々の賞を受賞し、現在はフジテレビのドラマ制作部に所属している。北野がプロデュースする作品は、本人が報道の現場に居たことも影響してか、社会問題を扱ったドラマが多い。また、『宮崎のふたり』の安達奈緒子をはじめ、野木亜紀子、蒔田光治、三浦直之など評判の高い脚本家を起用することが多い。さらに、牛尾憲輔、岩崎太整、菅野よう子など、ドラマ音楽を手掛けることは少ないが、映画などで活躍している音楽家を抜擢することも特徴と言って良いだろう。

本作も、まさにそうした流れの中にあるドラマとなっている。区議会議員を目指す人物を主人公にしたというのが絶妙だ。扱うべき問題の多い都会において、一番身近な存在たるべき政治家である区議会議員。そこに選挙で選ばれるためには、区民一人ひとりの細かい社会問題に向き合わざるを得ない。既に第5話までで、そうした問題の一つひとつが丁寧に描かれている。更に、妹家族の家に入り込む兄という設定も見事と言う他ない。家族ではないが他人でもない存在。妹・陽菜(向里祐香)は既に亡くなっており、その夫・小原正助(志尊淳)はシングルファザーで保育士として働き、2人の子どもを育てている。しかも、娘のひまり(増田梨沙)は陽菜の連れ子で正助とは血が繋がっていないなど、家庭内での関係の難しさまで孕んでいる。

一平が向き合う問題は社会問題だけでなく家庭問題まで多岐にわたる。そして、社会と家庭の問題は複雑に絡み合いながら展開していく。北野プロデュース作らしい、そして、彼にとっても新たなチャレンジと言えるドラマとなっている。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS